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アステラス製薬:ノーベル賞で注目、HIF-PH阻害薬「エベレンゾ錠」発売へ[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.4981 (2019年10月12日発行) P.15

登録日: 2019-10-10

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アステラス製薬は9月20日、腎性貧血治療薬「エベレンゾ錠」(一般名:ロキサデュスタット)について国内での製造販売承認を取得したと発表した。

エベレンゾは、アステラスと米FibroGen社が共同開発したHIF(低酸素誘導因子)-PH(プロリン水酸化酵素)阻害薬。HIF-PH阻害薬の開発は、10月7日に発表された2019年ノーベル生理学・医学賞で脚光を浴びている「低酸素応答」の研究を基に各社で進められており、田辺三菱製薬も今年7月にHIF-PH阻害薬バダデュスタットの承認申請を行っている。

エベレンゾの成分であるロキサデュスタットは、従来の赤血球造血刺激因子製剤(ESA製剤)とは異なる働きで腎性貧血を改善。正常酸素状態においても生体内で複数の経路を調節することで赤血球の生成を活性化し、血液の酸素運搬能力を増強する。国内で実施された透析期の慢性腎臓病に伴う貧血患者を対象とした4つの第Ⅲ相試験で有効性・安全性が確認された。

ロキサデュスタットは、保存期(透析導入前)の腎性貧血治療薬としての開発も進められており、日本では第Ⅲ相試験が進行中。海外では透析期・保存期の腎性貧血治療薬として中国で承認を取得しているほか、欧州・米国で承認申請の準備が進められている。

エベレンゾ錠の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】透析施行中の腎性貧血 【用法・用量(ESA製剤で未治療の場合)】1回50mgを開始用量とし週3回経口投与。患者の状態に応じて適宜増減(1回3.0mg/kgを超えないこと)

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