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(2)【Report②】 ジェネリック推進に取り組む地域 “ジェネリック行政”先進の地で医師会・現場の医師の対応は? [特集:ジェネリックとの付き合い方を考える]

No.4713 (2014年08月23日発行) P.18

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-27

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  • 医療費適正化が叫ばれる中で、もはや国策となったジェネリック医薬品の使用推進。独自のジェネリック推進策を展開する先進的な自治体で、医師会や現場の医師は“ジェネリック行政”にどう対応しているか。奈良県生駒市、広島県呉市の事例を紹介する。(本誌・藤ノ井峻介)

    奈良県生駒市

    平城京三山の一座として名高い生駒山の麓に広がる、奈良県北西部の都市・生駒市。人口12万人。交通の便の良さから大阪のベッドタウンとして人口増加が続いている。しかし、1人当たり医療費は県内12市中で最高。国保医療費の増大で財政は逼迫し、医療費抑制が喫緊の課題となっている。
    市は2010年、医師、学識経験者、市民らを委員とする「医療費等適正化検討部会」を立ち上げ、医療費の伸びを抑制するための施策を検討。そこでの議論を踏まえ、2012年2月、ジェネリックの使用推進事業としては全国初となる「ジェネリック医薬品推奨薬局認定制度」を始めた。

    調剤率に応じて市が薬局を認定

    これは、市が後発品調剤率の高い薬局を「推奨薬局」に認定し、調剤率に応じて金・銀・銅のステッカー(図1)を授与するというものだ。8月現在、市内47薬局のうち12薬局が認定を受けている(表1)。制度の構想から一貫して司令塔役を担ってきた小紫雅史副市長によると、金・銀・銅という区分はあるものの、その趣旨は薬局のランク付けではないという。市から推奨薬局への金銭的な優遇措置はなく、認定による“特典”は市民広報や市ホームページへの掲載などにとどまる。
    「行政が『ジェネリックを使おう』と呼び掛けても、市民からすればどこでジェネリックを調剤してもらえるのか分かりません。そこで、一目で調剤率の高い薬局が分かる仕組みを考えました」(小紫副市長)
    推奨薬局では、医師が不可とする場合や患者が先発品を強く希望する場合を除き、可能な限りジェネリックを調剤。後発品のある先発品の使用者には必ず切り替えが可能である旨、説明を行っている。



    最大の成果はジェネリックの認知度向上

    推奨薬局制度と並んで市が力を入れているのが差額通知事業だ。レセプトデータから後発品のある先発品を使っている国保加入者を全員抽出。そのうち、ジェネリックに切り替えることで100円以上の薬剤費の削減が見込める人を対象に、効果額を明示した通知(図2)を送っている。その数は年間約7000件に上る。
    このほか、保険証やお薬手帳に貼ってジェネリック希望の意思表示ができるシール(図3)を全市民に配布するなど、市はジェネリック推進を医療費適正化策の柱に据えている。2011年6月に33.6%だった市のジェネリック利用率(新指標ベース)は、今年3月には43%まで上昇。医療費削減額は年間約2800万円に上る。
    しかし小紫副市長は、事業による最大の成果は「ジェネリックの認知度が上がったこと」だと言う。「市内の薬局では『ジェネリックって何ですか』と尋ねる患者さんが以前より格段に減ったとのことです。私の狙いはそこでした。よく分からないという理由でジェネリックを敬遠していた層にまで周知が進んだことは、大きな一歩だと思います」

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