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サノフィ:PCSK9阻害薬「プラルエント」、スタチン不耐患者にも使用可能に[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.4942 (2019年01月12日発行) P.15

登録日: 2019-01-11

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サノフィは12月13日、11月の適応追加で従来の「HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)で効果不十分な患者」に加え「スタチンによる治療が適さない患者」にも使用可能となった高コレステロール血症治療薬「プラルエント皮下注」(一般名:アリロクマブ)についてメディア向けセミナーを開いた。

プラルエントは、血中LDLコレステロール(LDL-C)濃度の調節に関与するPCSK9を標的とした完全ヒト型モノクローナル抗体。肝細胞の表面にあるLDL受容体にPCSK9が結合しないよう阻害することでLDL-Cを低下させる。

今回の適応追加は、スタチン療法がふさわしくない、または、低用量スタチンから増量できない高コレステロール血症患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験で、有意なLDL-C低下効果が示されたことなどから承認された。

13日のセミナーで講演した日本動脈硬化学会理事長の山下静也氏(写真)は、日本人の動脈硬化性心血管疾患患者のうち10%程度はスタチン不耐とみられているとした上で、プラルエントの適応となる患者について「注射剤で高価な薬(75mgペン:2万2948円、150mgペン:4万4481円)であるため、非常にハイリスクな方が対象になる。特に、スタチンが必須な家族性高コレステロール血症患者で、どうしてもスタチンを服用できず、エゼチミブやレジンでもLDLが下がらない患者は適応になる」との見解を示した。

「プラルエント」の効能・効果(下線部が今回の適応追加での変更箇所)
心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)で効果不十分またはスタチンによる治療が適さない場合の家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症

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