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静脈血栓塞栓症治療でセミナー [新薬FRONTLINE]

No.4789 (2016年02月06日発行) P.16

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-27

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ブリストル・マイヤーズ/ファイザー:「エリキュース」による静脈血栓塞栓症治療でセミナー

ブリストル・マイヤーズとファイザーが共同で開発した新規経口抗凝固薬「エリキュース錠2.5mg、同5mg」(一般名:アピキサバン)の新たな効能・効果として「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」が昨年12月に承認されたのを受け、両社は1月27日、メディア向けセミナーを開いた。
静脈血栓塞栓症(VTE)の効能・効果の承認は、海外第Ⅲ相試験「AMPLIFY試験」と国内第Ⅲ相試験「AMPLIFY-J試験」などのデータを根拠としたもの。日本人の急性症候性VTE患者を対象としたAMPLIFY-J試験では、大出血または臨床的に重要な非大出血事象の発現率が未分画ヘパリン/ワルファリン群28.2%に対しエリキュース群7.5%と、エリキュース群で低いという結果などが得られた。
セミナーで講演した中村真潮氏(村瀬病院副院長=写真)は、エリキュースによるVTE治療の特徴として①発症時から内服のみで治療が可能、②初期から長期にかけて安定した抗血栓効果が期待できる、③シンプルな用法・用量―などを挙げ、「アピキサバン(=エリキュース)は安全性が高く、投与方法がシンプルで、外来治療も行いやすい」と述べた。

●「エリキュース」の新たな効能・効果と用法・用量
【効能・効果】静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制 
【用法・用量】通常、1回10mgを1日2回、7日間経口投与した後、1回5mgを1日2回経口投与

持田製薬:「ディナゲスト」効能追加申請、「新薬の柱に育てる」

持田製薬は1月27日、子宮内膜症治療薬「ディナゲスト錠1mg」「ディナゲストOD錠1mg」(一般名:ジエノゲスト)について、「子宮腺筋症に伴う疼痛の改善」の効能・効果追加申請を行った。
子宮腺筋症は、子宮内膜あるいはその類似組織が子宮体部筋層内に増殖する疾患。月経時、日常生活に支障を来すほどの強い疼痛を訴えることが多い。発症年齢のピークは40歳代で、閉経周辺期女性の15〜20%が子宮腺筋症を有するとされている。現在、子宮腺筋症の適応を持つ医薬品はなく、安全に使用できる治療薬が求められている。
ディナゲストは、プロゲステロン受容体を選択的に活性化し、卵巣機能抑制作用や子宮内膜細胞増殖抑制作用を持つことから、子宮腺筋症に対しても有効性が期待されている。
1月25日に開かれた同社懇親会で挨拶した持田直幸社長は、昨年11月に社会不安障害の効能が追加された抗うつ薬「レクサプロ」や慢性疼痛・抜歯後疼痛治療薬「トラムセット」とともに、ディナゲストを新薬の「大きな柱」に育てていく考えを示した。
同社はディナゲストについて「機能性月経困難症」の効能追加も目指しており、現在第Ⅱ相試験を実施している。

●持田製薬が開発中の新薬
①承認申請中:「MD–0901」(潰瘍性大腸炎治療薬) ②臨床第Ⅲ相試験実施中:「LBEC0101」(関節リウマチ治療薬エタネルセプトのバイオ後続品) ③臨床第Ⅱ相試験実施中:「ディナゲスト」(機能性月経困難症の効能追加)

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