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■NEWS 1日2回投与の再発乳癌治療薬「ベージニオ」が近く承認へ―新薬情報

No.4922 (2018年08月25日発行) P.21

登録日: 2018-08-07

最終更新日: 2018-08-07

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薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は8月3日、下掲の医薬品の承認を了承した。

このうち、日本イーライリリーが申請した抗悪性腫瘍薬「ベージニオ」(一般名:アベマシクリブ)は「ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌」の患者を対象とする、サイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬。

同じ作用機序を持つ類薬には「イブランス」(一般名:パルボシクリブ)がある。両薬とも内分泌療法との併用下で投与する点は共通だが、ベージニオが1回150mgを1日2回経口投与するのに対し、イブランスは1日1回125mgを3週間連続して食後に経口投与し、その後1週間休薬するサイクルを繰り返す。

■「ハーセプチン」の乳癌適応にバイオ後続品

同日の部会では、第一三共が申請している抗悪性腫瘍薬「ハーセプチン」のバイオ後続品(トラスツズマブ)の承認も了承された。ハーセプチンのバイオ後続品としては既に日本化薬の製品があるが、同社が承認を取得した適応は胃癌のみ。第一三共は「HER2過剰発現が確認された乳癌」と「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」の承認を申請。ただし、先行品の乳癌の用法・用量のうち、申請されたのはA法(2回目以降の投与間隔:1週間)のみで、B法(同:3週間)は申請から除かれている。

 

■近く承認が見込まれる医薬品

販売名(申請者名)

一般名

効能・効果等

ベージニオ錠50mg、同100mg、同150mg(日本イーライリリー)

アベマシクリブ

ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌

①オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同240mg(小野薬品工業)

②ヤーボイ点滴静注液50mg(ブリストル・マイヤーズスクイブ)

①ニボルマブ(遺伝子組換え)

②イピリムマブ(遺伝子組換え)

①「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行または転移性の悪性胸膜中皮腫」の効能を追加/現行の悪性黒色腫の効能から「根治切除不能な」の制限を削除/240mgの規格を追加

②「根治切除不能または転移性の腎細胞癌」の効能を追加し、オプジーボとの併用を可能にする

ビーリンサイト点滴静注用35µg(アステラス・アムジェン・バイオファーマ)

ブリナツモマブ(遺伝子組換え)

再発または難治性のB細胞性急性リンパ性白血病

オデフシィ配合錠(ヤンセンファーマ)

リルピビリン塩酸塩/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩

HIV-1感染症

トルツ皮下注80mgシリンジ、同80mgオートインジェクター(日本イーライリリー)

イキセキズマブ(遺伝子組換え)

現行の効能「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」に「12週時点で効果不十分な場合」の用法・用量を追加

トラスツズマブBS点滴静注用60mg「第一三共」、同150mg「第一三共」(第一三共)

トラスツズマブ(遺伝子組換え)※ハーセプチンのバイオ後続品

HER2過剰発現が確認された乳癌、HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌

タグリッソ錠40mg、同80mg(アストラゼネカ)

オシメルチニブメシル酸塩

EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺癌(現行の効能のうち「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M変異陽性」の制限を変更)

ポテリジオ点滴静注20mg(協和発酵キリン)

モガムリズマブ(遺伝子組換え)

現行の効能「再発または難治性のCCR4陽性の皮膚T細胞性リンパ腫」から「CCR4陽性」の制限を削除

バリキサ錠450mg、同ドライシロップ5000mg(田辺三菱製薬)

バルガンシクロビル塩酸塩

現行の効能「臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制」に小児用量と新剤型(ドライシロップ)を追加


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