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「トレリーフ」適応に「レビー小体型認知症のパーキンソニズム」追加へ 新薬情報  

No.4912 (2018年06月16日発行) P.20

登録日: 2018-06-11

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薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は8日、パーキンソン病治療薬「トレリーフ」(一般名:ゾニサミド、大日本住友製薬)について、「レビー小体型認知症(DLB)に伴うパーキンソニズム」への適応拡大を了承した。6月末~7月上旬にも正式に承認される見込み。承認されれば、DLBに伴うパーキンソニズムに対する薬剤としては世界初となる。

同薬はレボドパ賦活剤で、レボドパ含有製剤との併用下でパーキンソン病の運動機能障害改善作用を示すため、レボドパ含有製剤を一定期間服用してもパーキンソニズムが残存している患者に用いる。1日1回25mgを経口投与する。

国内のDLB患者数は、厚生労働省の患者調査(2014年)によると最大で推計14.4万人。一方、同省研究班の推計では、12年時点で最大71万人。

■新機序の潰瘍性大腸炎治療薬が承認へ

同日の部会では、中等度から重症の潰瘍性大腸炎に用いる新機序の治療薬「エンタイビオ」(同:ベドリズマブ、武田薬品工業)の承認も了承された。

同薬は、ヒトリンパ球のα4β7インテグリンに特異的に結合するモノクローナル抗体。血管内皮に選択的に発現する細胞接着分子「MAdCAM-1」との接着を阻害することで消化管粘膜と腸管関連リンパ系組織への白血球浸潤を抑制し、抗炎症作用を発揮する。

武田薬品の想定では、同薬の投与対象となる患者は約11万人。臨床上では既存治療で効果不十分な潰瘍性大腸炎の治療選択肢の1つになる。

同日の部会を通過し、近日中の承認が見込まれる医薬品は表の通り。

表 近く承認が見込まれる医薬品

販売名(申請会社) 一般名(下線:新有効成分) 効能・効果等
エンタイビオ点滴静注用300mg
(武田薬品工業)
ベドリズマブ(遺伝子組換え) 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療および維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
ジェミーナ配合錠
(ノーベルファーマ)
レボノルゲストレル/エチニルエストラジオール 月経困難症
トレリーフ錠25mg、同OD錠25mg
(大日本住友製薬)
ゾニサミド レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム(レボドパ製剤を使用してもパーキンソニズムが残存する場合)
フェントステープ0.5mg、同テープ1mg、同テープ2mg、同テープ4mg、同テープ6mg、同テープ8mg
(久光製薬)
フェンタニルクエン酸塩 非オピオイド鎮痛剤および弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種癌ならびに中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)
※新用量(0.5mg)を追加、効能・効果に変更はなし
ジアグノグリーン注射用25mg
(第一三共)
インドシアニングリーン 血管および組織の血流評価
※公知申請(同適応の使用は保険適用済み)

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