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転倒予防白書2016

転倒予防に関する初の学会公式テキスト!

定価:4,860円
(本体4,500円+税)

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編集: 武藤芳照(日体大総合研究所所長/日本体育大学特別招聘教授)
編集: 鈴木みずえ(浜松医科大学臨床看護学講座教授)
編集: 原田敦(国立長寿医療研究センター病院長)
判型: B5判
頁数: 272頁
装丁: 2色刷
発行日: 2016年10月10日
ISBN: 978-4-7849-6168-9
版数: 第1版
付録: -
超高齢社会の健康寿命に大きくかかわる転倒予防の専門家によって結成された「日本転倒予防学会」による初の公式テキストが登場!
転倒・転落に関する統計、疫学、各種取り組み、資格・試験などの制度面から、患者指導、施設整備、リスク評価、運動療法などの臨床面までを網羅しています。
医師、看護師、理学・作業療法士から、介護職員まで、高齢者の医療・福祉・リハビリ・介護にかかわる全ての人、必携の一冊です。

目次

1 転倒に関わる最新の統計 
 1 日本人の平均寿命,健康寿命
 2 疾病構造
 3 要介護の原因
 4 交通事故と転倒・転落の死亡数の年次推移 
 5 東京消防庁管内の救急搬送データからみる日常生活における転倒・転落事故の実態
 6 高齢者の不慮の事故
 7 大腿骨近位部骨折に関する医療費・介護費用
 8 子どもの転倒・転落事故の動向
2 日本転倒予防学会学術集会の動向
3 日本転倒予防学会誌の動向
4 国内外の転倒予防に関わる学術研究の動向
 1 地 域
 2 病 院
 3 高齢者施設
 4 運動療法
 5 住環境
 6 栄養と転倒
 7 ヒッププロテクタの力学性能評価システムの開発
5 転倒・骨折予防の動向
6 転倒予防に関わるソフト(ケア,人材育成,転倒リスクマネジメント)の開発の動向
7 産学官連携によるロボット技術を活かした転倒予防
8 転倒予防に関わる工学技術開発の動向
9 「転倒予防指導士」養成の動向
10 日本転倒予防学会推奨品の動向
11 転倒予防川柳
12 転倒・骨折に関わる医薬品の動向
13 転倒・転落リスクのアセスメントの動向
14 転倒予防とビタミンD
15 転倒予防のための杖の動向
16 認知症高齢者の転倒予防の動向
17 転倒予防に関する多職種連携アプローチ
18 転倒予防に関する地域包括ケアシステムの動向
19 地域における転倒予防研究会の動向
 1 岩手県での転倒予防活動
 2 富士北麓ころばぬ医療研究会
 3 ひろしま転倒予防セミナー15年の歩み
20 高齢者の二次骨折予防の動向
21 世界の高齢者の骨折治療・予防ガイドラインに関する動向
22 WHOによる転倒予防戦略
23 フレイル,サルコペニア,ロコモティブシンドロームと転倒
24 転倒事故に関連した法律的側面
25 転倒予防に関する雑誌の特集,図書等の動向



巻末資料
バリアフリー新法/報道から見た転倒事故事例/睡眠薬と転倒に関する新たな知見/日本転倒予防学会 会則/日本転倒予防学会役員および評議員の選出および任期に関する細則/日本転倒予防学会 名誉会員・役員・評議員一覧/会員数の推移/都道府県別会員数/「転倒予防指導士」養成制度

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序文

転倒は,直立二足歩行をしている私たち人間にとって避けることができない宿命的な日常的出来事です。歩き始めた子どもは転倒を繰り返しながら歩行を覚えていきます。乳幼児では,頭が大きく,また運動機能が未発達なためにバランスを崩して転倒しやすく,学童期でも運動・スポーツ中や自転車乗車中などの転倒がみられ,骨・関節障害を起こしやすく,大きな課題です。高齢者の転倒は,それまで様々な形で保たれていた心身機能のバランスが崩れた徴候,つまり直立二足歩行機能の低下により移動動作が困難になったことを示しています。それだけではなく,高齢者の心身機能全体の低下やフレイルの状況を示し,高齢者の要介護・寝たきり状況を引き起こします。転倒予防が実現すれば要介護・寝たきり期間も短くなります。わが国は超高齢社会にありますが,要介護者の増大も懸念されています。転倒予防は,健康寿命延伸,ひいては健常高齢者の多い,真の意味での健康長寿社会の実現に結びつきます。このように転倒は,ライフサイクルの中で,小児期である心身機能の発達段階,さらには発達の最後の成熟期である高齢者の両方に起こりやすい事象であり,転倒予防は生涯にわたる健康維持に大きな役割を果たすのです。

近年,超高齢社会となったわが国では,入院・施設入所高齢者の増大,認知症高齢者の増大などから,病院・施設での転倒事例が増大しています。特に病院や施設で高齢者が転倒を起こして骨折や頭部外傷をきたすと,その後の生命予後にも影響することから,けがをしなくても,“転倒” は重要なヒヤリハット事例として扱われるようになりました。医療安全管理の観点からは,転倒は医療の質の重要なアウトカムであり,様々な取り組みがなされています。転倒には様々な要因が絡んでいることから,多職種,多領域による転倒の原因の根本的な解決に沿った転倒予防対策と,さらには効果的な連携や共同に基づいた安全管理体制の構築も必要です。転倒予防には多職種の専門的な知識・技術・経験の融合が必須であり,保健・医療・福祉職だけではなく,工学・法律・運動・スポーツなど様々な分野の専門家が集結し,2014年に日本転倒予防学会が創設されました。この『転倒予防白書2016』は,日本転倒予防学会が中心となり,そこで活躍している多領域の専門家がエビデンスを凝縮し,最新の知見・情報・データを収集・整理し,今後の転倒予防の動向や方向性を示そうと編集されたものです。転倒予防の研究者は勿論のこと,病院の安全管理者,リスクマネジャーさらには地域・病院・施設における転倒予防の実践者に有用な知識が体系化されています。

もともと,「白書」とは,英国政府の報告書が白い表紙を付けてwhite paper と呼ばれていたことから,政府の発行する様々な各分野の現状分析と将来政策を述べる報告書に,その名が付されています。本書に「白書」と名付けたのは,日本転倒予防学会が,転倒予防にかかわる現状分析と将来展望を定期的に行って発行しよう
という意欲を表現しています。

転倒予防に関わる皆様に本書を手にとって頂き,活用頂ければ編者・著者一同,何よりもない喜びであります。本書執筆に関してご協力頂きました方々に深く感謝申し上げます。


2016 年10 月
武藤 芳照  日体大総合研究所所長/日本体育大学特別招聘教授
鈴木みずえ  浜松医科大学臨床看護学講座教授
原田  敦  国立長寿医療研究センター病院長

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