著: | 倉原 優(独立行政法人国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター内科) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 272頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2016年04月15日 |
ISBN: | 978-4-7849-5700-2 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
成人気管支喘息の診断から治療・管理までのすべてがわかる「フルコース」メニュー。もちろん「メインディッシュ」は喘息治療薬の上手な使い方!それぞれの患者さんに合った吸入薬(デバイス)の選び方は?pMDIかDPIのどちらが適切か、吸入回数や吸いやすさ等々を考慮し、アドヒアランスを向上させるためのきめ細やかな工夫がいっぱい!
患者さんへの配慮にあふれた「倉原流喘息診療」のすべてがわかる1冊。
第1章 総論─喘息診療の前に押さえておきたいこと
1 喘息ってなあに─古代ギリシャからの歴史
2 喘息の定義─ COPDとの違いは?
3 知っておきたい「気道リモデリング」
4 喘息の疫学─喘息死は年間1,700人
5 喘息のリスク因子─衛生仮説って何ですか
6 GINAとJGL,どちらのガイドラインを使用する?
第2章 喘息を診断する
1 喘息の診断基準,言えますか?
2 何を検査したらいいの?
3 ピークフローの位置づけ
4 重症度分類─目の前にいる患者さんは安定期? それとも発作中?
第3章 いろいろな喘息
1 ACOS(asthma-COPD overlap syndrome)─気管支喘息+COPD
2 咳喘息,アトピー咳嗽,非喘息性好酸球性気管支炎(NAEB)─難解な好酸球性下気道疾患たち
3 肥満喘息─減量なくして改善なし
4 運動誘発性喘息(EIA),運動誘発性気管支攣縮(EIB),アスリート喘息
5 妊娠喘息─赤ちゃんを産むために
6 職業性喘息─仕事を辞めなければならない?
7 アスピリン喘息(AERD)
第4章 喘息を治療する前に
1 治療ステップを知っておこう
2 吸入薬のステップアップ・ステップダウン─奥が深いアップダウン
3 吸入薬を使う前に押さえておきたいあれこれ
第5章 喘息治療の実際(1)─吸入デバイス論
1 吸入薬の選び方
2 吸入薬の粒子径は重要?
3 吸入補助器具(スペーサー)は有効?
4 pMDIとDPIのココが違う!
5 イラストでわかりやすい! 各吸入デバイスの使い方
6 吸入デバイス別おそうじ方法/廃棄法
第6章 喘息治療の実際(2)─吸入薬
1 吸入ステロイド薬(ICS)ってどんな薬?─喘息治療の主役
2 吸入ステロイド薬(ICS)の使い方と特徴
3 吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬(ICS/LABA)
─喘息治療の主役の座を狙う若手俳優
4 長時間作用性β2刺激薬(LABA)─ベテラン助演俳優
5 短時間作用性β2刺激薬(SABA),短時間作用性抗コリン薬(SAMA)
─喘息治療のエキストラ,ここぞというときに役に立つ?
6 長時間作用性抗コリン薬(LAMA)
─喘息治療の舞台に顔を出すようになったベテラン俳優
7 クロモグリク酸─デバイスが充実した控え役者
第7章 喘息治療の実際(3)─非吸入薬
1 ロイコトリエン拮抗薬─内服薬の一軍選手
2 テオフィリン─内服薬の二軍選手
3 経口ステロイド─ここぞというときの奥の手
4 モノクローナル抗体─新しい喘息治療薬
5 気管支熱形成術─気管支鏡でカンタン治療?
第8章 喘息治療の実際(4)─発作時治療
1 喘息発作時治療の具体的手順─私はこうする
2 JGLガイドラインにおける発作治療ステップ
3 喘息発作に対する全身性ステロイドのエビデンス
4 喘息発作時に使う全身性ステロイド以外の薬
第9章 実際に喘息を診療してみよう
18歳,男性のケース─花粉症の季節に喘息が悪化したため来院
29歳,女性のケース─妊娠25週で喘息発作を起こして救急搬送
33歳,男性のケース─多忙なビジネスマン,シンプルな処方を希望
45歳,女性のケース─難治性喘息,ICS/LABAが無効
60歳,男性のケース─服薬アドヒアランスがきわめて不良
85歳,女性のケース─施設入所中に喘鳴で搬送
私が医師になって最初に購入した医学書は,喘息の本でした。初めて研修する診療科が呼吸器内科で,初めて担当した患者さんが喘息だったからです。
この書籍の刊行にあたり,出版に尽力下さった日本医事新報社の原田誠子さんに心より感謝申し上げます。また,私の外来に通院している喘息患者さん,質問に答えて下さってありがとうございました。妻の実佳子,長男の直人,次男の恵太にも感謝しています。
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
頁 | 該当個所 | 誤 | 正 |
表紙裏および100頁・101頁 | 見開き表右側 SABA,SAMAの表中 | 用法 | 1日最大量 |
107頁 | 表1タイトル | 1回単位でカウンター表示ができる喘息の吸入薬一覧 | 吸入薬とカウンターの有無 表1の旧タイトル「1回単位でカウンター表示ができる喘息の吸入薬一覧」はICS フルタイド®ディスカス,アズマネックス®の上へ挿入 |
111頁 | 表2 セレベント50ディスカスの粒子径 | 5.3(3.3〜5.4) | 5.3 |
112頁 | 表4 フルタイド50ディスカス,フルタイド100ディスカス,フルタイド200ディスカスの粒子径 | 5.3(3.3〜5.4) | 5.3 |
頁 | 該当箇所 | 変更後 |
51頁 | 参考文献6) | 6) Cosio BG, et al:Defining the Asthma-COPD overlap syndrome in a COPD cohort. Chest. 2016 Jan;149(1):45-52. |
56頁 | 「ややこしい位置づけになっています。」の文章に続けて右の文章が続く | 生理学的な検査では比較的まともなのに,やたらめったら好酸球が気道に炎症を起こしている疾患のことをNAEBと言うのです。 ■ NAEBの治療には,喘息・咳喘息と同じくICSを用います。しかしながら,どのくらいの期間治療を行えばよいのかコンセンサスはありません。 |
95頁 | 下から7行目から3行目までの文章 | ■ただし,たとえばシムビコート®やフルティフォーム®のように吸入回数が多いケースでは,ステップダウン時にICSだけでなくLABAも減量されることがあるので注意して下さい。 |
96頁 | 上から8行目から10行目 | シムビコート® 1回4吸入1日2回 → シムビコート® 1回2吸入1日2回へステップダウン (この場合LABAもステップダウンされる) → シムビコート® 1回1吸入1日2回へステップダウン (この場合LABAもステップダウンされる) → シムビコート® 1回1吸入1日1回へステップダウン (この場合LABAもステップダウンされる) |
96頁 | 上から12〜13行目 | フルティフォーム®125 1回2吸入1日2回へステップダウン (この場合LABAもステップダウンされる) |
216頁 | 上から4行目のタイトルの後に挿入 | ■これら3剤以外にも,ベンラリズマブ,デュピルマブなどいろいろなモノクローナル抗体が登場しています。 |
216頁 | 上から8〜9行目 | ■残念ながら,わかりません。現時点では モノクローナル抗体のいずれが効果的か比較検討したデータはないため,(〜以下本文続く) |
225頁 | 参考文献3) | 3) Hirashima J, et al :Effect of intravenous magnesium sulfate on mortality in patients with severe acute asthma. Respirology. 2016 May;21(4):668-73. |
237頁 | 参考文献10) | 10) Hirashima J, et al :Effect of intravenous magnesium sulfate on mortality in patients with severe acute asthma. Respirology. 2016 May;21(4):668-73. |