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エラー回避の思考回路を鍛える! 麻酔科M&M症例ファイル 仲間のエラーは皆の宝!

M&M事例からエラー回避のポイントを読み解く!

定価:5,170円
(本体4,700円+税)

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編著: 高田真二(帝京大学医学部麻酔科学講座,医学教育センター 准教授)
判型: B5判
頁数: 282頁
装丁: 2色刷
発行日: 2014年05月29日
ISBN: 978-4-7849-6222-8
版数: 第1版
付録: -
€● 本書は、他人の失敗事例の振り返りを通して、将来の糧を得る“他山の石”です。
€
● これは自分の症例!?と錯覚するくらい、起こりがちなエラー(インシデント事例)を集めました。
€
● 事例解説、メモなどのコラムで理解度アップ!症例帳で終わらないよう、解説を充実させています。
€
●取り上げたエラーの多くは、麻酔科特有の知識・技術に関連したものではなく、どの診療科でも起こりうるエラーです。麻酔科以外の医師、特に初期研修医や各科の後期専攻医、その指導者の方々にもお勧めです。
€
●M&Mカンファレンスはエラーを起こした当事者の“魔女狩り”にせず、オープンな雰囲気の中で行われるべきもの。本書も「いかに患者の安全を守るか」という重大なテーマながら、楽しく読めることを目指しました。

目次

I.総 論
医療安全の考え方とM&Mカンファレンスの意義

II.模擬カンファレンス
「小児の全身麻酔導入時の重度低酸素血症」

III.他山の石─模擬事例から学ぶ!
1.術前準備
file01 Kさんのご家族の方ですか?
file02 人工呼吸器が故障です!
file03 カラセボはプラセボにしかず
file04 そんなの聞いてない!
2.入室?導入
file05 いびきがひどいって主人によく言われるの
file06 Just a Routine Anesthesia
file07 こみあげてくる恐怖
file08 Haste makes waste
file09 リークチェックしたはずなのに…
file10 なんちゃって超音波ガイド下穿刺
3.術中管理
file11 何を入れちまったんだ!?
file12 脊麻が効かない
file13 はいっ!フェンタ3筒入れました!
file14 ヘパリン入りました!
file15 厳しく追及他人の失敗,笑ってごまかせ自分の失敗!?
file16 お願い!赤ちゃんを助けて!!
file17 浜の真砂は尽きるとも世に誤薬の種は尽きまじ
file18 あの赤い数字は何だ?
file19 入れても入れても漏れる?
file20 なるほど ダ・ヴィンチ!
file21 油断大敵皮下茫々
file22 軽症もいじくりまわせば…
file23 ラリマであれまぁ
file24 大人の対応
file25 去る者は追わず─抜けたものはどうする?
4.終了直後
file26 いつものあれでリバースしました!
file27 息してる…よね?
file28 ならぬことはならぬ
file29 びっくりしちゃったなあ
file30 九仞の功を一簣に虧く
file31 全身麻酔なんて絶対イヤッ!
file32 突っ込むか引き返すか,それが問題だ!
5.術後回復室
file33 出かけるときは忘れずに
file34 明石の蛸は美味いけれど…
file35 郵便ポストが赤いのも,みんな麻酔のせい!?
file36 Sorry Works
索 引

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序文

€20世紀末に起こった重大医療事故を契機に,わが国の医療安全が厳しく問われ始めてから約15年。信頼に基づく医療の再構築のために様々な取り組みがなされてきました。その一例である,医療事故の原因究明と再発防止のための第三者機関の設立をめざす幾多の議論の中で,「間違いを犯すのが人ならば,それを正すのも人である」ということが関係者の共通認識になりました。医療事故の原因を究明し再発防止に努めることは,医療者の責任であり,医療者にしかできないことです。行政や司法の協力も必要ですが,基本は医療者の自浄努力です。
€€
本書は医療事故の原因分析と再発防止に自律的に取り組むという,医療者の責務の実践の試みであり,日々の臨床の振り返りの記録でもあります。編者は医学教育にかかわる立場から,医学生や研修医に医師のプロフェッショナリズムをいかに教えるかという課題に直面しています。「あるべき」論を振りかざしても彼らの心には届きません。聖人君子にほど遠い,編者を含む大多数の普通の医師にとって,プロフェッショナルであるとはどういうことなのか?一つの答えは,自分の実践を常に振り返ることではないでしょうか。振り返り悩みつつ,少しでも前に進む努力を続けること。その姿を示す中で,プロフェッショナルのあり方を若い人たちと一緒に考えることができるのではないかと感じています。
€€
本書は『麻酔科M&M症例ファイル』と銘打っていますが,取り上げた症例に現れるエラーの多くは,麻酔科に特有の知識・技術に関連したものではなく,どの診療科でも起こりうるエラーです。その意味で,麻酔科以外の医師,特に初期研修医や後期専攻医の皆さんやその指導医の方々にも本書を手に取って頂きたいと思っています。
€
研修医の皆さん。あなたが犯した失敗は日本中で多くの研修医も経験していることです。指導医だって昔は同じ失敗をしたのです。落ち込む必要はありません。でも開き直りはダメです。振り返りを通して失敗の山の中から将来の糧となる財産を探し出して下さい。
€
指導医の皆さん。様々なエラーをしでかしては皆さんに迷惑をかけている研修医たちをどうか温かく(かつ厳しく)見守って下さい。くじけず前進しようとする後輩たちの学びを,昔の自分の失敗談も披露しながら支えて下さい。
€
本書が医療現場における安全文化を考える際の何らかのきっかけになれば,編者としてこれにまさる喜びはありません。
€
2014年5月吉日 編者

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レビュー

【書評】医療における失敗学の実践

稲田英一(順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座主任教授)
医療において、安全性の確保は最重要項目である。医療安全については、“To err is human”という基本概念を中心として、様々な分析法や改善方法が開発されてきた。Morbidityand Mortality(M&M)カンファレンスは、合併症や偶発症が起こった事例や死亡に至った事例を対象として、エラーの原因を追究し、議論を行い、得られた教訓をもとに改善策を立案し、診療の質の向上に役立てるために行われる。さらに、個人的および組織的なシステム上の原因について究明される。このカンファレンスを建設的で有用なものとするためには、司会者の入念な準備と発表者との打ち合わせ、参加者が自由に発言できる土壌が必要である。オープンな議論により、参加者全員の意識も高まる。これは医療における失敗学の実践である。
本書は、医療安全の基本的概念について述べた総論に引き続き、小児の全身麻酔導入時の低酸素血症を題材とした模擬カンファレンス、そして36編の模擬事例を通じて、M&Mカンファレンスの意義と実際を教えてくれる。
M&Mカンファレンスのやり方を学ぶ上でも、また重要ポイントが図表を多く用いて示されており教育的にも、非常に有用である。
同様の症例を経験したり、自分の施設でよくこんな事例が起こらなかったなと、ドキッとする事例も含まれているであろう。私たちがそれらの事例について、しっかりと解析し、組織的な対応策を出したであろうかという反省もしながら読み終えた。
本書の語り口には、実直でありながら、ほのぼのとしたユーモアが感じられ、内容がすっきりと頭の中に入っていく。編著者である髙田先生の人柄がよく表れている。
麻酔や周術期管理の安全に日々取り組んでいる麻酔科専門医をめざす医師や専門医だけでなく、初期研修医、集中治療など呼吸循環管理に関与している先生方にもお勧めしたい本である。

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麻酔科医のみならず手術室に勤務するすべての医療者に読んでもらいたい本

Amazonブックレビュー
まず帯の「自分の失敗も全国区!若手もベテランもヘマをする」からして非常に秀逸である.ヒューマンエラーは洋の東西を問わないことを如実に示している.他山の石ファイルはまさに諺通りで,今日明日に我が身に起こっても何ら不思議ではない.ファイル 6は,英国の Just A Routine Operation を彷彿とさせ,ファイル13の,フェンタ3筒は,実際にワソランで死亡事故が報道されている.一人一人は必ず間違えるが,チームとして組織として間違わない仕組みを作らなければならない.そのヒントが満載された本である.オススメの一冊.

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