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順天堂大脳神経内科ではこうしている 最新 パーキンソン病診療【電子版付】

順天堂大脳神経内科の臨床スタイルを濃縮した、PD診療の集大成

定価:5,940円
(本体5,400円+税)

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編著: 服部信孝(順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科教授)
判型: B5判
頁数: 224頁
装丁: 2色部分カラー
発行日: 2021年05月28日
ISBN: 978-4-7849-4950-2
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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■パーキンソン病(PD)の研究・治療おいて,世界を牽引する順天堂大脳神経内科の医師たちが全項目にわたり執筆した豪華な1冊。

■初診患者の診かたから,検査,鑑別診断,治療,そしてCOVID-19を契機に急務となったオンライン診療やIT技術の活用法まで,順天堂大が行っている最新かつ有効な診療技術を余すところなく解説。

■専門医達の迷いや悩みどころにスポットを当てており,それに対する解説を読み進めることで,新たな学びや気付きを得ることができます。

■PD診療をレベルアップしたいすべての医師におすすめの1冊です!

診療科: 内科 神経内科

目次

1章 原因・疫学・歴史

1 パーキンソン病の原因
2 パーキンソン病の疫学
3 パーキンソン病の病態・治療の歴史
4 パーキンソン病の病理の特徴

2章 大脳基底核の生理

1 大脳基底核の基本的役割
2 パーキンソン病の病態生理学

3章 初診患者の診かた(早期・進行期・未発症)

1 患者と家族に対するパーキンソン病への向き合い方に関する説明(長期予後や仕事など)
2 発症早期パーキンソン病(Prodromal期も含む)の初診患者の診かた(治療開始の基準など)
3 進行期パーキンソン病患者の初診時のアプローチ(DAT外来)

4章 検査

1 画像検査(MRI,MIBG心筋シンチグラフィ,DAT-SPECT)の評価
2 生理学的検査・機能的MRI検査の評価
3.1 メタボロミクス
3.2 α-シヌクレイノパチーのRT-QuIC (髄液)
3.3 診断バイオマーカーの今後の展望
4.1 遺伝性パーキンソン病について
4.2 遺伝性パーキンソン病の診断の重要性
4.3 遺伝性パーキンソン病の研究からめざす治療法開発
4.4 遺伝性パーキンソン病モデルの有効性(マウス)
4.5 遺伝性パーキンソン病モデルの有効性 (ショウジョウバエ,酵母,線虫)
4.6 遺伝性パーキンソン病に特化した薬剤開発

5章 鑑別診断

1 パーキンソニズムの鑑別方法
2 バイオマーカーを用いたパーキンソニズムの鑑別
3 症候性パーキンソニズム(脳血管性,正常圧水頭症,薬剤性など)の注意点

6章 運動症状の治療―薬物治療選択

1 レボドパ治療のエッセンス
2 ドパミンアゴニスト
3 MAO-B阻害薬
4 非ドパミン系薬剤(抗コリン薬,ゾニサミド/アマンタジン,ドロキシドパ,イストラデフィリン)
5 現在,開発が進んでいる薬剤
6 疾患修飾治療
7 姿勢異常と脊椎疾患の治療

7章 進行期パーキンソン病・運動合併症の治療―薬物治療,脳深部刺激療法(DBS),L-dopa持続経腸療法(LCIG)

1 運動合併症における薬物治療のエッセンス
2 脳深部刺激療法(DBS)の適応評価,メリット・デメリットについて
3 L-dopa持続経腸療法(LCIG)の適応評価
4 現在,開発中の治療について(adaptive DBSやiPS細胞治療)
5 パーキンソン病の精神症状の対処療法と精神科領域の脳深部刺激療法(DBS)の可能性

8章 非運動症状の対処

1 消化器症状と膀胱直腸障害
2 睡眠障害(不眠,過眠,レム睡眠行動異常症)
3 感覚障害
4 認知機能障害と精神症状〔衝動制御障害(ICD),ドパミン調節異常症候群(DDS)も含む〕
5 アルツハイマー病とパーキンソン病の関係―コリンエステラーゼ阻害薬と運動療法
6 嚥下機能障害や流涎,体重減少など
7 循環系・呼吸器系症状

9章 リハビリテーションや非薬物療法

1 リハビリテーションや運動の重要性
2 日常生活でできる体操

10章 その他

1 オンライン診療・テレメディスンについて―COVID-19の流行を契機に普及・拡大が急務
2 パーキンソン病診療におけるウェアラブルデバイスやIT技術の活用法
3 在宅医療や自宅での生活における指導ポイント(ホームアダプテーション)

11章 Case Conference (CC)

1 clinico-pathological conference (CPC)

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序文

パーキンソン病(PD)は,1817年にJames Parkinsonが“Shaking palsy”を報告したことにはじまる。1888年にCharcotがParkinsonを称え, 筋固縮を加え“PD”と名付け, その後1919年にFrederic H. Lewyによる黒質Lewy小体の発見,1960年に佐野,Ehringerらによる東西で同時発見されたドパミン欠乏, それに基づく治療薬Levodopaの導入,1983年に神経毒MPTPの発見,1997年に遺伝性PDのα-synuclein原因遺伝子の発見, 翌年我々のグループからparkin原因遺伝子の発見と1990年以降は枚挙に遑がない。さらに単一遺伝子異常に伴う遺伝性PDは,現時点でPark1― 23まで同定されており,最近我々のグループにより優性遺伝性PDの原因遺伝子CHCHD2(Park22)が単離同定された。さらに我々グループにとって3つ目の原因遺伝子プロサポシンのサポシンDドメインに変異のある3家系を見出した。我々の知る限り,3遺伝子を単離・同定できているのは順天堂大チームのみである。

これまで遺伝性PDの原因遺伝子産物の機能解析から,ドパミン神経細胞死にミトコンドリア,リソソーム,輸送システム,神経炎症そして酸化ストレスの関与などが推定されている。ドパミン補充療法のみの対症療法では十分な予後改善とは言えず,進行阻止可能な疾患修飾療法の開発が喫緊の課題と言えよう。

近年,人工知能によるクラスター分析の結果が発表された。その論文によるとdenovo症例で2.7年経過フォローすると少なくとも運動優位型, 中間型, 広汎悪性型の3群に分類されると結論づけている。先に触れた遺伝性PDの原因遺伝子が少なくとも23型あることと併せると,疾患名は1つであるが,その中身は多様性に富んでいると言わざるをえない。

100年人生が現実的になっている昨今を考えると長期にわたって患者をフォローする必要があり,多様性の中でプレシジョンメディシンの実現が重要と考える。

本書は, 執筆者全員が順天堂大学に所属しており, 診断~治療に至るまで順天堂大学脳神経内科や関連する診療科が実施している最新かつ有効な手法, そして知識や考え方を記載している。当科は昨年Newsweek誌の調査で世界ランキング10位にランクされた。「患者のために」を合い言葉に臨床・研究を行ってきた。その意味で本書は, その精神のもとで進めてきた臨床スタイルを濃縮したものになったと自負している。もちろん, 不完全であるとのご指摘を受けるかもしれないが集大成と考えている。これらが読者にとって有効な情報となることを願ってやまない。

2021年4月
服部信孝

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