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脊椎エコーのすべて 頚肩腕部・腰殿部痛治療のために -SONOANATOMY, TARGET and INTERVENTION-【電子版付】

定価:9,570円
(本体8,700円+税)

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執筆: 岩﨑 博(和歌山県立医科大学医学部整形外科学講座 准教授)
監修: 山田 宏(和歌山県立医科大学医学部整形外科学講座 教授)
判型: AB判
頁数: 390頁
装丁: カラー
発行日: 2021年05月17日
ISBN: 978-4-7849-5945-7
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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これが脊椎診療のニューノーマル。
~脊椎外科医が運動器エコーを手に入れたら~

  • 本書では超音波解剖(SONOANATOMY)にとことんこだわりました。超音波ガイド下インターベンションを行う際には、解剖およびその超音波解剖(SONOANATOMY)を理解することは必須の条件になります。そのため、①エコー画像、②解説付きエコー画像、③描出時の外観、④同じスライスのMRI画像を並べて掲載し、「どう当てて、何が見えるのか」をわかりやすくお伝えしています。
  • 超音波ガイド下注射の項目では、ターゲットとなる部位を「どんなときに、どのように狙うのか」、①エコー画像、②解説付きエコー画像、③超音波ガイド下注射時の外観とともに「重要なポイント」や「筆者のひとりごと」も交えて解説しています。
  • 患者さんの「頚肩腕部痛、腰背部痛、鼡径部・腰殿部・下肢痛」に対して、運動器エコーを用いた治療を行うための書籍です。「運動器エコーを始めたい・究めたい」医師・理学療法士そして脊椎外科医の先生方。ぜひご覧ください。
診療科: 整形外科
    整形外科

目次

Zero:脊椎エコーを行うために
1 ─ 超音波診断装置の使い方
2 ─ プローブの使用方法
3 ─ 超音波基本知識
4 ─ 運動器構成体の見え方
5 ─ 超音波ガイド下インターベンションの基本

・症状および身体所見から考える超音波ガイド下注射のターゲット

Ⅰ章:頚肩腕部痛
・頚肩腕部痛に関連する超音波解剖-SONOANATOMY-
1 ─ 頚椎
2 ─ 椎骨動脈・総頚動脈
3 ─ 肩関節,上腕二頭筋長頭腱,腱板・肩峰下滑液包
4 ─ 上肢帯背側の筋群(僧帽筋,肩甲挙筋,大・小菱形筋)
5 ─ 胸鎖乳突筋
6 ─ 頚部固有背筋
7 ─ 後頚筋(斜角筋,椎前筋)
8 ─ 後頭下筋群(大・小後頭直筋,上・下頭斜筋)
9 ─ 神経根・脊髄神経(腕神経叢)
10 ─ 頚神経叢
11 ─ 大後頭神経
12 ─ 脊髄神経後枝
13 ─ 副神経
14 ─ 肩甲背神経
15 ─ 肩甲上神経
16 ─ 腋窩神経

・頚肩腕部痛に対する超音波ガイド下注射-TARGET and INTERVENTION-
Target 101:椎間関節
Target 102:上腕二頭筋長頭腱
Target 103:腱板・肩峰下滑液包(・肩甲上腕関節腔内)
Target 104:僧帽筋・肩甲挙筋
Target 105:胸鎖乳突筋
Target 106:頭板状筋,頭・頚半棘筋,多裂筋
Target 107:前・中・後斜角筋
Target 108:頭長筋・頚長筋
Target 109:下頭斜筋
Target 110:神経根・脊髄神経
Target 111:頚神経叢
Target 112:大後頭神経
Target 113:脊髄神経後枝内側枝
Target 114:副神経
Target 115:肩甲背神経
Target 116:肩甲上神経
Target 117:腋窩神経

Ⅱ章:腰背部痛
・腰背部痛に関連する超音波解剖-SONOANATOMY-
1 ─ 腰椎
2 ─ 腰背部の筋
3 ─ 脊髄神経後枝

・腰背部痛に対する超音波ガイド下注射-TARGET and INTERVENTION-
Target 200:危険信号(red flags)
Target 201:椎弓(分離部)
Target 202:椎間関節
・最重要 高位確認法
「A」:仙骨後面より体幹に対して長軸像で頭側に向けて確認する方法
「B」:肋骨より体幹に対して短軸像で尾側に向けて確認する方法
「C」:L5/S椎間関節より体幹に対して短軸像で頭側へ向けて確認する方法
Target 203:横突起
・重要 腰椎と神経根・脊髄神経の位置関係
Target 204:多裂筋
Target 205:最長筋・腸肋筋
Target 206:胸腰筋膜
Target 207:脊髄神経後枝内側枝
Target 208:脊髄神経後枝中間枝
Target 209:脊髄神経後枝外側枝(腰神経)
Target 210:脊髄神経後枝外側枝(仙骨神経)

・【緊急掲載】椎間板性腰痛・神経根性腰痛・洞脊椎神経・脊髄神経硬膜枝に関する話

Ⅲ章:鼡径部・腰殿部・下肢痛
・鼡径部・腰殿部・下肢痛に関連する超音波解剖-SONOANATOMY-
1 ─ 仙骨・寛骨
2 ─ 仙腸関節・周囲靱帯
3 ─ 股関節・鼡径靱帯
4 ─ 腰方形筋,大腰筋,腸骨筋
5 ─ 梨状筋
6 ─ 大・中・小殿筋
7 ─ 内転筋群
8 ─ 神経根・脊髄神経
9 ─ 坐骨神経(殿部)
10 ─ 大腿神経・外側大腿皮神経
11 ─ 上・中殿皮神経
12 ─ 閉鎖神経,陰部大腿神経,腸骨鼡径神経,腸骨下腹神経

・鼡径部・腰殿部・下肢痛に対する超音波ガイド下注射-TARGET and INTERVENTION-
Target 301:仙骨硬膜外
Target 302:後仙骨孔・仙骨神経根
Target 303:仙腸関節・後仙腸靱帯
Target 304:腸腰靱帯
Target 305:股関節
Target 306:腰方形筋
Target 307:大腰筋・腰神経叢
Target 308:腸骨筋
Target 309:梨状筋(・大殿筋)
Target 310:上殿神経・下殿神経・後大腿皮神経
Target 311:中・小殿筋
Target 312:長・短・大内転筋
Target 313:神経根・脊髄神経
Target 314:坐骨神経
Target 315:大腿神経
Target 316:外側大腿皮神経
Target 317:上殿皮神経
Target 318:閉鎖神経
Target 319:腸骨鼡径神経,腸骨下腹神経
Target 320:陰部大腿神経

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序文

2017年のある日、「いわちゃん。絶対、秋田に見学に行った方が良い」と山田教授に言われたことが、脊椎外科医の私がエコーに本格的に触れることになった始まりでした。新しい場所へ行く、新しいことに取り組む、そして新しい人と出会うことが苦手な私の性格をご存じのはずの教授が、運動器エコーを用いた治療のすばらしさを熱く語ってくださり、強く勧めて下さいました。

エコーといえば、若かりし頃、硬膜の動きを評価し術後成績と比較する研究のため、頚椎椎弓を観音開きした後で検査するために術野や外回りでお手伝いしたという過去の記憶がよみがえってきました。それ以外では、どのボタンを触って良いかわからないし良く見えないし、それを言い訳に触らなくなったなあというのがそのときの正直な感想でした。皆川洋至先生の運動器エコーに関する講演を拝聴し、秋田の城東整形外科へ見学に行くことで、その考えが間違いであることに気付いたのはもちろんのこと、「すごい世界」に圧倒され、秋田から和歌山までの8時間30分の電車の時間が「あっ」という間であったことを覚えています。

『脊椎エコーのすべて』という本書のタイトルを見て、「(関西弁で言うなら)脊椎をエコーでみてどうすんねん」と思った方も多いと思いますが、是非、脊椎脊髄診療、いや頚肩腕部痛、腰背部痛、鼡径部・腰殿部・下肢痛の治療に運動器エコーを導入して頂きたい思いから本書を書き上げました。超音波は骨表面でほぼ反射されるため、骨で囲まれた脊柱管内は見えません。これが特に脊椎脊髄疾患治療にとって運動器エコーが不要なものであると判断されやすい大きな理由だと思います。そして忙しい外来で使う時間がない、高い機器で手元にない、診療報酬の問題などが次に続く理由だと推察しますが、まずはエコーのスイッチを入れてプローブを当ててみて下さい。世界が変わるはずです。

今回、超音波解剖(SONOANATOMY)にもこだわったつもりです。プローブを当ててみても、なにがなにやらわからないということが過去の私にもあったためです。エコーの良いところは、自分にプローブを当てたり、もう1人いればお互いに当てたりして、いつでも描出の練習ができるところだと思います。少しでもその助けになればと思い、エコー画像・解説付きエコー画像・描出時の外観・同じスライスのMRI画像を掲載することにこだわりました。MRI撮影においては、同門の綿貫昭則先生、綿貫匡則先生にご尽力いただき、3テスラMRIで撮影することができました。撮影協力をいただきました、和歌山画像診断センターの寺田正樹先生、皆さまそして技師の田中康夫様に感謝申し上げます。

運動器エコーを用いた診療を行うようになって、漠然とひとつの夢・野望を持つようになりました。それは「脊椎脊髄疾患診療のためのエコーの書籍を単著の形で出したい!」というもので、今考えても無謀なものです。この無謀を形にすることをご提案いただき、書籍という形に仕上げて下さいました日本医事新報社の吉本軌道様に感謝申し上げます。そして、日本医事新報社にご推薦いただきました吉田眞一先生にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

本書の兄貴分ともいえる中瀬順介先生の『膝エコーのすべて』は、「膝エコーの星座表になれるように」との思いから表紙が星空になっていると伺いました。かっこよすぎます!執筆作業が最終段階に入ると本書の表紙に関して考えるようになりました。是非、本書のカバーを取り、表紙をご覧下さい。我々の講座の秘書である上田真耶さんに本書の表紙案を依頼した際にお伝えしたのは、「医学書は、カフェや電車で読んでいる時にあまりにもストレートすぎるので、カフェで読んでいてもおしゃれな表紙」という漠然なものでしたが、上田さんの原案をみて、驚愕するとともに感動しました。

  1. 『膝エコーのすべて』が空のイメージなので、本書は海のイメージ
  2. コミュニケーションに超音波を使うイルカやクジラ
  3. 超音波を用いて遠隔コミュニケーションが可能な様子
  4. 神経周囲や筋膜などの軟部組織周囲へ液体を入れる超音波ガイド下インターベンションの「水」の世界観
  5. 椎骨が徐々に変化して魚となり、いろいろな種類の魚やクジラとともに存在する世界
  6. エコーをもったダイバーが存在するひとつの世界

これはまさに運動器エコーを用いた診断・治療に関してディスカッションをさせていただいている多くの先生方、そして皆川洋至先生からこれまでにご教授いただいたすべてが詰まっていると思います。本当に有難うございました。

この「筆者のはしがき」を記載しはじめて、あらためて私の野望(無謀な夢)実現のために多くの方々にお世話になり、ご迷惑をおかけしてきたことを思い知りました。

MRI画像同様本書に欠かせない超音波像を得るために、多大なるご協力をいただきましたコニカミノルタジャパン(株)の皆さまには感謝してもしきれません。本当に有難うございました。症例、超音波像、超音波ガイド下治療に関しましてご協力いただきました和歌山県立医科大学医学部整形外科学講座医局員の先生方、同門の先生方、和歌山エコー班の先生方(和歌山で運動器エコーを診療に用いていらっしゃるすべての先生を勝手にエコー班と呼ばせていただいております。申し訳ありません)、エコーを通して知り合うことができた全国および海外の先生、看護師さん、医局秘書さん、クラークさん、事務員さん、関わっていただいた皆様に心から感謝申し上げます。特に曽根勝真弓先生、村田鎮優先生には、多忙のなか、大変お世話になりました。

本書は1人での執筆のため、内容にかなり偏りがありますし、神経に偏ったターゲットの記載になっているかもしれません。私自身も執筆を開始した1年前とは考え方・ターゲットの決め方・攻め方も変化してきています。現在も試行錯誤し、多くの先生方からご教授いただいて変化をし続けているため、ご理解ご容赦頂きたいとともに、内容の間違いや改善すべき点などがあれば、ご指摘頂ければ大変うれしいです。

今後明らかになるであろう、鎮痛の機序によって変更すべき点も多々生まれてくるとは存じますし、運動器エコーにこだわるあまり、広い全体像を見落としてはならないと肝に銘じております。エコーだけですべての診療が行えるわけではないとも考えております。しかしながら、エコーを知ることで、私の診療が大きく変わったことは間違いのない事実です。本書がエコーを用いた診療を始めようとしている先生方のお役に少しでもなればと考えております。

最後になりましたが、皆川洋至先生、山田宏先生。先生方にはお礼の気持ちをなんとお伝えさせていただけばよいのか言葉がみつからず、感謝の念に堪えません。何の取り柄もない私に進むべき道をご教授いただき、月並みな言葉で大変恐縮ですが、本当に、本当に有難うございました。これからは、自分の技術・診断・治療力を向上させるだけでなく、後輩のみならず、運動器エコーを用いた診療のすばらしさを多くの方に伝えることができるよう努めることが、恩返しになるのではと考えております。今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。

長文のはしがきとなりましたが、1年間、特に最後の数カ月の間、文句も言わずに協力してくれた家族への感謝で、締め括らせていただきます。

2021年4月
岩﨑 博

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