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カラー図解 人体の正常構造と機能 第2巻 循環器〈第3版〉

高度な内容をやさしく学べる画期的な教科書

定価:6,480円
(本体6,000円+税)

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著: 大谷 修(富山大学名誉教授)
堀尾嘉幸(札幌医科大学教授)
判型: A4変型判
頁数: 116頁
装丁: カラー
発行日: 2017年02月25日
ISBN: 978-4-7849-3219-1
版数: 第3版
付録: -

シリーズ累計20万部突破! 待望の改訂版

人体の構造と機能を臓器別全10巻に編集したシリーズ。解剖学・生理学の高度な内容をやさしく学べる教科書として評判を呼び、シリーズ総発行部数は20万部にのぼります。第3版は、最新の知見に基づいて内容を更新するとともに、さらに読みやすく、わかりやすい教科書をめざしました。

◆図解を中心とした構成  フルカラーの図解を中心に構成したビジュアルな紙面。どの教科書よりも図が豊富でわかりやすいとの評価をいただいています。
◆見開き完結  ひとつのテーマが見開きで完結するよう編集。重要事項をコンパクトにまとめてあり、読みやすく理解しやすい。
◆解剖・組織・生理の連携  図解に沿ってマクロ・ミクロの構造を学び、その構造がどのような機能を果たしているのか、そしてその構造や機能を支えている物質は何かを、順を追って学習できるよう構成しました。読み進めていくうちに、各臓器の構造と機能のつながりが実感できます。

目次

循環器系の概観
循環器系は血液を運ぶ回路で,1分間で全血液が一巡する

心 臓
心臓は第2〜第5肋間の高さで,縦隔の大半を占める
心臓は袋状の心膜に覆われ,その中を滑らかに動く
X線写真で心臓・大血管の輪郭は6つのカーブを描く
4つの部屋,4つの弁が2系統のポンプを構成する
心臓の弁は圧の変化によって開閉し,血液の逆流を防ぐ
洞房結節に生じたインパルスは,刺激伝導系を通って心室に伝えられる
心臓活動の5つのステージを心電図と心音図でモニターする
心電図の異常は,波の高さ(電位)と間隔(リズム)にあらわれる
心臓活動の調節(1)ハードウエア;ポンプとしての心臓
心臓活動の調節(2)ソフトウエア;自律神経によるコントロール

心筋の興奮と収縮
多数の心筋細胞が特有の接着構造でつながり,心筋線維をつくる
心筋の活動電位とイオンチャネル;長い脱分極相が特徴
心筋収縮のメカニズム;Ca2+が収縮の抑制機構をはずす

全身の動静脈
大動脈は体循環の本幹である
冠状動脈は心臓を栄養する機能的終動脈である
外頚動脈は頭蓋の外の構造を栄養する
内頚動脈は椎骨動脈とともに頭蓋内(脳)を養う
脳の静脈は主に硬膜静脈洞に集められ,内頚静脈に注ぐ
上腕動脈の枝と橈骨動脈・尺骨動脈の反回枝が肘周囲に動脈網をつくる
橈側皮静脈は腋窩静脈に,尺側皮静脈は上腕静脈に注ぐ
胸大動脈の枝は胸壁と気管支・食道に分布する
胸腹壁の静脈は奇静脈に集められ,上大静脈に注ぐ
腹大動脈の枝は消化器と泌尿生殖器に分布する
消化管,胆・膵・脾の血液は門脈に集められ,肝臓に入る
内腸骨動脈の枝は骨盤内臓・骨盤壁・殿筋に分布する
大腿動脈は枝分かれしながら下肢を栄養する
四肢の皮静脈は,深部を走る伴行静脈と吻合している
血管の壁は毛細血管を除き3層構造である

毛細血管・リンパ系
毛細血管は血液と組織との物質交換の現場である
毛細血管網は各器官の機能に応じて様々に形を変える
毛細血管から漏出した蛋白質は,組織間液とともにリンパ管に回収される
特定の領域のリンパは特定のリンパ節に注ぐ
リンパ液は血流に戻る前にリンパ節で濾過される

循環動態の調節
細動脈が末梢血管抵抗を,静脈系が心臓への還流量を決める
血圧の調節機構(1)ホルモンによる全身性調節
血圧の調節機構(2)血管の局所性調節
血圧の調節機構(3)自律神経による調節
血管平滑筋収縮の分子機構—受容体刺激によりCa2+が動員される
局所循環—循環系は各組織の要求に合うように作られている

循環器系の疾患
循環器系の異常はあらゆる臓器に影響を及ぼす

心臓・大血管の発生
心内膜筒はS字状に弯曲し,将来の心室と心房が形づくられる
心内膜床を軸として中隔と房室弁が形成され,心臓を4つの部屋に分ける
右静脈洞角と原始肺静脈はそれぞれ心房に合体してその後壁をつくる
らせん状のドテが大動脈路と肺動脈路を分ける
3対の鰓弓動脈が生後まで残り,肺動脈,大動脈弓およびその枝をつくる
出生時,胎児循環に激変が起こる

[基礎知識]
心電図
膜電位

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序文

 循環器は,胎生第3週に出現し,死ぬまで休むことなく働き続ける健気で律儀な臓器である。
 握りこぶしほどの心臓は,終生リズミカルに収縮と弛緩を繰り返して,1分間でほぼすべての血液を全身に送り出す。心臓から送り出された血液は,動脈を通って全身の毛細血管網に送られ,静脈を経て,再び心臓に戻る。毛細血管網は,周囲の組織と血液との間で物質交換を行う場所である。一方,リンパ管は,組織間液とともに高分子蛋白質を回収して静脈系に戻すことにより,体液の恒常性を保つように働いている。小さなポンプと,複雑な,しかし整然と組織された管の中を,ぐるぐると血液が巡っている訳である。
 健康であるためには,血液が滞りなく流れなければならない。心臓が数分間止まっただけでも,脳の細胞は死んでしまう。心筋梗塞や脳梗塞のように,どこか一部の動脈が詰まると,その動脈が養っている部分の組織が壊死に陥り,生命が危険にさらされる。つまり,血液の循環は「当たり前のこと」であり,「それが無ければ臓器の機能も無くなる」ものである。循環器系は,生命を維持するためになくてはならない縁の下の力持ちなのである。
 しかし,心臓と血管は単なるポンプと管ではない。交感神経と副交感神経が互いに拮抗しながら,心拍数や血圧を調節している。心房は心房性ナトリウム利尿ペプチドを分泌し,腎臓に働きかけて,循環血液量を調節する。血管の内皮細胞はNO(一酸化窒素)やエンドセリンを放出して,血管の緊張性を調節する。このような循環器系の仕組みと働きの面白さ,その広がりや深さが,読者に少しでも伝えられれば,著者として何よりの喜びである。
 このシリーズを企画された日本医事新報社の勇断に敬意を表するとともに,編集と製作に携わられた方々に深く感謝したい。

大谷 修・堀尾嘉幸

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