株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

(4)Ⅰ 内臓悪性腫瘍の皮膚病変─2 腫瘍随伴皮膚病変 ③Bazex症候群[特集:皮膚病変でみる内科疾患]

No.4887 (2017年12月23日発行) P.32

片桐一元 (獨協医科大学越谷病院皮膚科主任教授)

小林圭介 (獨協医科大学越谷病院皮膚科)

登録日: 2017-12-21

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 掌蹠の角化性病変,躯幹・四肢は乾癬様皮疹であったが,耳介の皮疹,鼻翼周囲にも鱗屑を伴う特徴的皮疹が観察された

    本症例は外用加療やエトレチナート内服による治療に抵抗性であったが,肺小細胞癌に対する治療で皮疹が軽快し,その後は腫瘍の再燃と皮疹が緩やかに連動した

    海外報告例では咽頭・喉頭の扁平上皮癌の合併が大多数を占めるが,わが国では腺癌の報告も多く,全身の精査が重要である

    症 例

    77歳,男性。主訴:掌蹠の角化性皮疹と爪甲肥厚(図1)

     

    【家族歴】 特記事項なし
    【既往歴】 珪肺
    【現病歴】 ‌X年9月から瘙痒を伴わない爪甲肥厚,足底の角化が出現。近医皮膚科でステロイド軟膏と活性型ビタミンD3軟膏の外用治療を行うも改善せず。手掌にも角化を生じたためエトレチナート30mg/日内服するも皮疹の改善傾向は乏しく,翌年3月に当院を紹介受診。
    【経過】 ‌肺小細胞癌と診断後,化学療法を実施し,腫瘍の縮小と連動して皮疹が消褪したが,再発を繰り返した。小細胞癌の合併は少数だが,腺癌が共存していた可能性を推測している。

    残り950文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top