大規模臨床試験SPRINT研究は,75歳以上の高齢者でも収縮期血圧を厳格に下げることが心血管合併症予防に重要であることを示した
本研究では,医療機関において医師や看護師がいない環境下で自動血圧計により測定された血圧値に基づいて評価されていることを念頭に置く必要がある
本研究では糖尿病や脳卒中既往例が対象から除外されている
かつては「高齢者の高血圧に積極的降圧は不要である」という考え方が一般的であった。それを覆したのがSHEP研究であり,HYVET研究であった。しかし,これら2つのエポックメイキングな臨床試験でも,収縮期血圧を140mmHg以下に下げることの有用性を証明することはできなかった。それを一気に120mmHgまで押し下げたのがSPRINT研究である。SPRINT研究は,降圧目標値の認識に大きな変革をもたらすとともに,わが国で広く普及している家庭血圧測定に関しても再考を促している。
本稿では,SPRINT研究が高血圧診療にもたらした影響について述べたい。
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