1989年製作のアメリカ映画。ブルース・ベレスフォード監督作品。アルフレッド・ウーリーの戯曲の映画化。アメリカ南部アトランタを舞台に、1948年から50年代、60年代の社会状況を背景として、ユダヤ人の元教師で未亡人デイジーとその専属黒人運転手ホークの25年間を描く(パンド、2002年発売)
この映画は医学生の時に映画館で観たのが最初だった。黒人の専属運転手ホーク(モーガン・フリーマン)の偏屈な?女主人デイジー(ジェシカ・タンディ)への優しい視線、そのデイジーのホークへのちょっと素直じゃない優しさは、ほっこりとした気持ちにさせてくれた。
差別や偏見、年を取ることなど厳しい現実の中でも、穏やかな日常を繰り返して2人の関係は成熟し、デイジーが認知症となってもなお続いていく。学生時代は自分自身が未成熟のため友人以外とは人間関係を上手に築いていけてない状況にあって、「こんな関係もありかな」と思わせてくれる映画だった。
そして、医者になってからテレビで観たときは、さらに違った想いを持った。ホークのように、そっと備えて(車を新しくしたときはデイジーが気に入らないと困るので、古い車を自分用として買っておくなど)、優しく見守り、また、たしなめるべき時はそうして、できないことがあればそれを手伝って、そして一緒に年を取ってゆく。
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