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肺膿瘍[私の治療]

No.5211 (2024年03月09日発行) P.38

小宮幸作 (大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座准教授)

登録日: 2024-03-06

最終更新日: 2024-03-05

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  • 肺膿瘍は,肺内組織を破壊しながら進展する急性~慢性の感染症である。口腔内常在菌の誤嚥によって発症することが多く,宿主の口腔内衛生環境,呼吸器系基礎疾患,免疫状態に影響を受ける。敗血症に伴う場合は,肺血栓塞栓症として肺内に多発性の病変を形成する。この場合は,急速に進展するため迅速な対応が必要になる。肺膿瘍は肺内組織に生じ,肺組織外の胸腔内を病変の首座とする膿胸とは異なる。

    ▶診断のポイント

    胸部画像による評価が重要になる。組織破壊性の病変を反映して,結節または浸潤影の中に空洞を形成する。膿汁を伴う場合には,空洞内に液面形成がみられる。胸膜にあまり接していない部位に生じた場合は,典型的には球形を呈する(パスカルの法則)。胸壁に接し胸水を伴う場合,時に膿胸(肺外)との鑑別が困難になる場合がある。肺膿瘍であれば,周囲が不鮮明,臓側胸膜と壁側胸膜の区別ができない(split pleura signがない)という点が鑑別に有用であるが,肺膿瘍から胸腔に穿破して膿胸を併発することもある。

    原因菌の検索には,喀痰培養検査ではコンタミネーションが多いことから,protected-specimen brushを用いた気管支鏡的検体採取を行うことが望ましい。また,肺膿瘍の鑑別や合併症として肺癌や結核が重要であることから,原因菌の検索とともにこれらの除外も必要である。

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