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ガーナ共和国におけるマールブルグ病のアウトブレイク [感染症今昔物語ー話題の感染症ピックアップー(4)]

No.5140 (2022年10月29日発行) P.17

石金正裕 (国立国際医療研究センター病院国際感染症センター/AMR臨床リファレンスセンター/WHO協力センター)

登録日: 2022-10-26

最終更新日: 2022-10-25

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  • ●マールブルグ病は高い致死率(CFR:24〜88%)を伴う流行性熱性疾患

    マールブルグ病は,マールブルグウイルス(フィロウイルス科)による熱性疾患です。潜伏期間は主に3〜10日間です。発熱,頭痛,筋肉痛,皮膚粘膜発疹,咽頭結膜炎に続き,重症化すると下痢,鼻口腔・消化管出血がみられ,エボラ出血熱に類似します。

    マールブルグウイルスの自然界からヒトへの感染経路は不明ですが,ルーセットオオコウモリのコロニーが存在する鉱山や洞窟に長期間さらされることで発生する可能性があると報告されています。

    ヒトからヒトへの感染経路は,血液,体液,排泄物との濃厚接触および性的接触です。特異的なワクチンや抗ウイルス薬はなく,主な治療は支持療法と対症療法になります1)

    日本では,感染症法上の1類感染症に指定されており全数届け出疾患です。日本国内では集計が開始されて以降,これまでは輸入例を含めマールブルグ病の報告はありません。

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