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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA) :アレルギー性肉芽腫性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)[私の治療]

No.5137 (2022年10月08日発行) P.47

五野貴久 (日本医科大学大学院医学研究科アレルギー膠原病内科学分野准教授)

登録日: 2022-10-07

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  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)は,2012年の全身性血管炎に関する国際会議でこれまでの名称〔アレルギー性肉芽腫性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)〕より変更された疾患である。臨床的特徴は,①喘息やアレルギー性鼻炎の先行症状がみられ,②末梢血好酸球増多を伴って,③紫斑,末梢神経障害(多発性単神経炎),消化管出血,脳血管障害,心筋障害など全身の小型動脈に血管炎が生じる疾患である。30~60歳に好発し,男女比は1:1.5でやや女性に多い。国内の年間新規患者数は約100例,年間医療施設受診者は約2000例と推定されている。

    ▶診断のポイント

    上記①および②が認められ,発熱,体重減少,関節痛などの全身症状に加えて, 上記③の血管炎による症状を認める場合に本疾患を考える。主要な血液検査異常所見として,白血球・血小板数の増加,MPO-ANCA陽性(半数の症例で陽性),リウマトイド因子陽性である。病理組織では,著明な好酸球浸潤を伴う細小血管の肉芽腫性またはフィブリノイド壊死性血管炎や血管外肉芽腫を認める。

    ▶私の治療指針・処方の組み立て方

    本疾患は希少疾患であり,ランダム化比較試験は少数で,重症度や臓器障害の多様性もあるため,個々の症例に応じて治療プランを設定する必要がある。2021年に国内および国外で本疾患に対する治療指針がまとめられているので,参照されたい1)2)

    治療の組み立て方として,炎症の鎮静化を図る寛解導入療法と再燃を予防する寛解維持療法にわけられる。

    【寛解導入療法】

    糸球体腎炎(血清クレアチニン>1.58mg/dL,蛋白尿>1g/日),心筋障害(不整脈,心不全),消化管障害(出血,梗塞,穿孔),中枢神経障害(脳梗塞,脳出血),多発性単神経炎を認める場合には,重症と判断して,高用量ステロイドの全身投与に加え,ステロイドパルス療法や免疫抑制薬〔静注シクロホスファミドパルスやリツキシマブ(保険適用外)〕の併用を考慮する。特に,急速進行性糸球体腎炎,致死的不整脈や重度の心不全,消化管障害では,ステロイドパルス療法に加え,使用経験の多い静注シクロホスファミドパルスを選択する。一方,MPO-ANCA陽性やシクロホスファミドの毒性を避けたい際には,リツキシマブを選択する。

    非重症例では,ステロイド単剤で開始する。寛解導入が不十分,減量中に再燃した際には抗IL-5抗体のメポリズマブを追加する。

    寛解導入療法開始より1カ月経過しても,末梢(運動)神経障害が残存している際に免疫グロブリン大量静注療法を考慮する。

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