まもなく発生から4年を迎える東日本大震災では、災害派遣医療チーム(DMAT)、日本医師会災害医療チーム(JMAT)をはじめ、公民さまざまな支援チームが被災地医療の復旧に貢献した。震災以降新たに発足した支援チームもあり、災害医療支援の「量」は今後も増えることが見込まれる。
しかし、被災地では支援の増加による混乱も生じた。DMAT、医師会、ボランティアの個人など、指揮系統の異なる支援が多数活動し、支援が飽和状態になった医療拠点があった一方で、支援がなかなか届かず復旧が立ち遅れた病院もみられた。
東日本大震災では、圧挫(クラッシュ)症候群のような過去の震災で問題となった急性期の症状だけでなく、亜急性期以降の対応が大きな課題となった。
避難所や救護所での生活が長くなれば、感染症や呼吸器疾患だけでなく要介護者・高齢者のADL低下も問題となる。東日本大震災は、亜急性期以降に顕在化する高齢社会ならではの医療課題も浮き彫りにした。
残り2,976文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する