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【一週一話】経口血糖降下薬の現在と近未来:新規治療薬を上手に使いこなすには

No.4699 (2014年05月17日発行) P.55

片山隆司 (かたやま内科クリニック院長・理事長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-04-05

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  • 現在,わが国の糖尿病人口は950万人(予備軍も含めると2050万人)であり,飽食の時代と言われるこの50年の間で40倍に増加している。

    “熊本宣言2013”以降,厳格かつフレキシブルな血糖管理が推奨されており,患者中心主義(patient centered approach)の姿勢が求められている。“質の高い血糖管理”を実現する上で,今やDPP-4阻害薬は不可欠な位置づけとなり糖尿病治療の中心的薬剤として定着した。しかし,多くの臨床データが蓄積される中で,その弱点も見えてきた。最も問題となるのは“24週現象”と言われる効果の減弱である。その主因は経過中の体重増加と生活習慣の乱れとされている。すなわち,DPP-4阻害薬の持つ能力を有効活用するには,我々実地医家は基本に戻り食事・運動・行動変容といった生活への介入を見直す必要があり,さらに減量をサポートしうるBG薬,α-GI,SGLT2阻害薬などの併用薬選びと活用が重要となる。

    BG薬はメタボ型糖尿病の増加に伴い再評価されている薬剤で,高用量投与が可能となったことで,有効性とともに減量効果も期待される。GLP-1活性を高める機序や,食欲抑制のメカニズムなど新知見も解明されている。α-GIは小腸下部を利用することでGLP-1活性の上昇と,上部からのGIPシグナルの遮断を両立させる機序から,減量に有用なインクレチン関連薬類薬として注目されている。

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