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子宮頸がん検診にHPV検査は導入されるのでしょうか

No.5040 (2020年11月28日発行) P.41

黒川哲司  (福井大学医学部産科婦人科学准教授)

森定 徹  (慶應義塾大学医学部産婦人科講師)

登録日: 2020-11-26

最終更新日: 2020-11-25

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  • 検診先進国における子宮頸がん検診は,ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)検査を導入する方向に変化してきています。わが国の現在の子宮頸がん検診の状況とHPV検査を導入することによって起こる問題点をご教示下さい。
    慶應義塾大学・森定 徹先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    黒川哲司 福井大学医学部産科婦人科学准教授


    【回答】

     【HPV検査の導入には,アルゴリズムを含めた検診の精度管理体制の構築が前提である】

    現在,わが国の子宮頸がん検診は健康増進事業の対策型検診として行われており,その検査手法は指針1)に基づき細胞診が採用されています。一方,HPV検査を用いた子宮頸がん検診は,浸潤がん罹患率減少効果について主に海外でのエビデンスがあり2),欧州,オセアニアを中心に対策型検診として導入される動きがあります。しかし,そのエビデンスは検診の精度管理が理想的に実施されている状況におけるものであり,わが国において同じ効果が上げられる保証はありません。

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