No.5013 (2020年05月23日発行) P.63
中村悦子 (社会福祉法人弘和会「訪問看護ステーションみなぎ」管理者)
登録日: 2020-05-11
最終更新日: 2020-05-11
「みんなのカフェわじま」ならびに「みんなの保健室わじま」がオープンして、今年で6年目になりました。 昨年からは、場所を移転させて訪問看護ステーションを併設しましたが「地域の通い場」としての役割には変わりはありません。
自分で来られる方はもちろん、送迎付きで来訪されて、ランチを食べるだけではなく、体操したり塗り絵や脳活ドリルなどを楽しまれる方もいます。また、毎日来られる方や、コーヒーだけを頼んでくつろいでいかれる常連さんもいたり、県内外からの見学の方もおられます。そんな大事な「通い場」であり「居場所」なのだから、よほどのことがない限り長期間の休業はありえないと思っていました。
しかしながら、今回のコロナ渦で、やむを得ず休業することになりました。胸が痛みますが、緊急事態宣言を受けとめ、お客様一人一人に休業のお知らせを入れました。食事の確保が難しい方には安否確認を兼ねてワンコイン弁当をお届けすることにしました。
そうしているうちに4週間が経ちましたが、幸いなことに当地(石川県輪島市)には感染者がいません。常連さんがどんな生活をしているか気になって仕方ない私は、訪問看護の合い間に安否確認に出かけました。「免疫力アップが期待できる食材やレシピ・運動法」などを記載したパンフレットを作成し訪問してみると、元気に畑仕事をしている人や、家でゴロゴロしている人、中には布団の中でテレビを観ている人もいます。確かに感染して命を落としている人もいるのだから油断はできませんが、長い目で「生きる」を支えているコミュニティナースとして、感染対策以外に、日頃の生活の見直しや、健康寿命の延伸に向けたフレイル対策などの啓発活動の必要性を痛感しています。この状況がいつまで続くかわかりませんが、今こそ病院に頼らない身体作りを目指した日常生活の軌道修正が必要であると思います。
中村悦子(社会福祉法人弘和会「訪問看護ステーションみなぎ」管理者)[みんなの保健室わじま][コミュニティナース]