【質問者】
佐田竜一 天理よろづ相談所病院総合診療教育部
【菌体の形態学的な違いと菌体周囲の“にじみ”に注目する】
黄色ブドウ球菌(MSSA,MRSA)菌血症の30日死亡率はおおむね20~30%であり1),頻度も高く臨床的に重要な微生物の1つです。昨今では質量分析など早期の診断が可能になる検査装置が設置される病院も増えてきましたが,一部の病院に限られているのが現状です。血液培養陽性後,血液のグラム染色でブドウ球菌を疑うグラム陽性球菌(GPC in cluster)が検出された場合,黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌は治療方針が大きく異なるため,その判断は重要となります。見分け方として用いる所見は大きく2つあり,①菌体の形態学的な違い,②菌体周囲の“にじみ”の2つに筆者は注目しています。
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