【質問者】
長船健二 京都大学iPS細胞研究所増殖分化機構 研究部門教授
【保険点数等の問題が解決され,糖尿病患者への導入数の増加が望まれる】
糖尿病患者における血糖変動を把握するための一般的な手段は,血糖自己測定(self monitoring of blood glucose:SMBG)です。しかし,SMBGは測定した時点の血糖値を示しますが,この値から血糖変動の全容を推測することはきわめて困難です。
この問題を解決すべく,24時間連続して血糖変動を把握することができるcontinuous glucose monitoring(CGM)機器が,米国で1999年に発売されました。わが国では同機器が2009年に承認され,専門の医療機関を中心に使用されてきましたが,測定に手間がかかるため,十分に普及したと言える状態ではありませんでした。
近年,簡易型CGMとも呼べるFreeStyleリブレが登場し,2017年9月に保険収載となりインスリン治療を行っている患者で使用することが可能となりました。本機器は500円玉大のセンサーと測定機器から構成されます。そのメリットは,①センサーの装着がきわめて容易,②センサーに測定器本体をかざせば血糖値と過去8時間の血糖値の推移がいつでも見られる,③1つのセンサーで14日間測定できる,そして④SMBGによる較正が不要である,の4点です。さらに,患者自身が血糖変動を常時見ることが可能になるため,本機器を装着することが生活習慣の改善に寄与して,血糖コントロールの改善につながることも少なくありません。
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