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線維筋痛症ハンドブック

本邦初・医師に向けた本格的なテキスト!

定価:6,380円
(本体5,800円+税)

在庫切れです

編著: 西岡久寿樹(聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター長)
判型: A5判
頁数: 230頁
装丁: 口絵カラー
発行日: 2007年06月25日
ISBN: 978-4-7849-5422-3
版数: 第1版
付録: -

最近一般からも注目を集める線維筋痛症を,本邦で初めて医師・研究者向けに解説。
各分野の専門家が疫学・病態研究の成果,明らかになってきた病因・病態から診断,治療まで多角的に詳述しています。
多岐にわたる症状や合併症など複雑な臨床像を持つ本疾患を正しく把握・診断するために必携の書です。
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目次

1章 総 論
2章 基 礎
3章 疫学・病態
4章 治 療
5章 周辺疾患・その他
6章 線維筋痛症友の会より

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序文

序 文
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このたび、本邦で初めての医師および研究者向けの本格的な線維筋痛症に関するテキスト『線維筋痛症ハンドブック』が出版の運びとなりました。

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線維筋痛症は最近注目を集めている疾患のひとつでありその病因・病態の解明はまったく不明でしたが、本邦で3年前、筆者が班長を務めております厚生労働省の研究班が結成され、疫学・病態の研究で大きな成果が得られました。その全貌が徐々に明らかにされてくるにつれ、特に本症の痛みの特性が、分子レベルでの解明が急速に進んでいます。しかしながら一方では、臨床の現場で患者さんが種々の疼痛を訴えて来院しているにもかかわらず、疾患に対する認識の低さに加えて、病像の複雑さがこの診断や症状の把握さらには治療に著しい困難を招いております。

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また診療体制についても、行政からの対応が急がれています。特に本症の複雑な臨床像はリウマチ科や整形外科、精神科、心療内科、ペインクリニックなど多岐にわたります。それに過敏性大腸炎や膀胱炎、ドライアイや口腔内乾燥症が加わると、さらに多くの病院やクリニックを転々とする数多くの患者さんがみえます。こうして種々の医療機関を転々としている多くの患者群を適切に把握する上で、本書はそれぞれの分野から解決していただく大きな役割を果たすものであると確信致します。

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本書は色々な分野の先生方にご執筆して頂きましたが、専門とする領域によって本症のとらえ方にも異なる点が少なからずあります。したがって、必ずしも一貫したマニュアル的なテキストとは異なる部分もあり、用語の不統一もありますが、筆者の御意向を尊重しました。今後、ガイドラインなどの作成が進むにつれて統一したものへとなっていくと思います。ご多忙中のところを執筆頂きました先生方、本書出版にご尽力を頂きました日本医事新報社に改めて御礼申し上げます。

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2007年5月吉日

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編者  西岡久寿樹

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レビュー

自著紹介

西岡久寿樹/聖マリアンナ医大難病治療研究センター長
線維筋痛症は最近注目を集めている疾患の一つですが、学生諸君はもとより医師、医療従事者の間ですら、まだその病名も十分に浸透していません。
筆者が班長を務めている厚生労働省の研究班が3年前に結成され、疫学・病因・病態の研究が進み、その全貌が少しずつ明らかにされてきた結果、現在日本で200万人もの潜在患者様がいることがわかってきました。「痛み」という症状以外に客観的なマーカーがないこと、臨床像が複雑で多岐にわたっており、満足な治療を受けられず多くの病院を転々としている患者様が数多く存在するからです。
本書は、本邦で初めて医療従事者用のテキストとして、それぞれの分野の先生方に、その専門の領域からご執筆頂きました。
本書が研究・臨床の現場で起こるさまざまな本症の問題解決の糸口としての役割を果たしてくれると確信しております。

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【書評】わが国唯一のハンドブック

高久 史麿/自治医科大学学長
この度、聖マリアンナ医大難病治療研究センターの西岡久寿樹センター長の編集による『線維筋痛症ハンドブック』が日本医事新報社から刊行された。
線維筋痛症は、全身性疼痛と不眠やうつ等の精神・神経症状を主要な症状とする原因不明の疾患であり、1990年代に入ってから米国を中心として徐々に注目されるようになった。
当然、わが国でも本症が臨床家の間で話題に上るようになったが、わが国における線維筋痛症の実態が明らかになったのは、西岡氏を班長とする厚生労働省の「線維筋痛症研究班」が2003年に結成され、この研究班により本格的な疫学調査や病態の解明などが行われるようになってからのことである。
本書は、同研究班の成果を中心にまとめられたわが国唯一の線維筋痛症のハンドブックである。
本症の病態や症状の複雑さを反映して、執筆に当たった方々の専門分野も基礎医学からリウマチ科、整形外科、精神科、心療内科、ペインクリニック、女性外来など、誠に多岐にわたっている。
また、その内容も疼痛に関する基礎的研究から、疫学、病態、診断、治療に至るまで広範囲に及んでいる。
日本では、線維筋痛症に関する医療関係者の理解はまだまだ不十分であり、本書が医療関係者への啓発ならびに本症患者への理解の促進に大きな役割を果たすことは間違いないと信じている。改めて、編集に当たられた西岡氏、執筆に当たられた先生方のご尽力に、心からの敬意を表したい。
なお、巻末には「線維筋痛症友の会」のことが紹介されている。診断、治療が困難な本疾患の患者にとって友の会への入会は大きな励ましと慰めになるであろう。

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