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肺癌に対する免疫療法と外科治療

No.5029 (2020年09月12日発行) P.48

谷口雄司 (鳥取大学呼吸器・乳腺内分泌外科准教授)

中村廣繁 (鳥取大学呼吸器・乳腺内分泌外科教授)

登録日: 2020-09-12

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 【PD-1/PD-L1阻害薬の有効性が多数の臨床試験で示された】

近年,がん細胞を攻撃するT細胞の働きを抑制するブレーキを解除する免疫チェックポイント阻害薬であるPD-1/PD-L1阻害薬の有効性が多数の臨床試験で示され,その適応が広がりつつある。肺癌診療ガイドライン2018年版1)においても,PS0-1のPD-L1陽性腫瘍細胞(TPS)が50%以上のⅣ期非小細胞肺癌に対する一次治療として,ペムブロリズマブ単独療法またはプラチナ製剤併用療法+PD-1/PD-L1阻害薬が推奨されているほか,TPSが50%未満の二次治療として,PD-1/PD-L1阻害薬が推奨されている。また,切除不能Ⅲ期非小細胞肺癌に対する根治的放射線化学療法後に対して,デュルバルマブによる地固め療法を行うよう提案されている。

一方,外科治療との組み合わせについては,2018年,切除可能非小細胞肺癌に対する術前化学療法としてのニボルマブ単剤療法の安全性を検証した第2相試験(NCT02259621)の結果が示され,忍容性があり,病理学的奏効率も45%であることが報告された2)

そのほか,現在,PD-1/PD-L1阻害薬を用いた非小細胞肺癌に対する術前化学療法や術後補助療法の臨床試験が複数行われており,その結果が注目されている。

【文献】

1) 日本肺癌学会, 編:肺癌診療ガイドライン2018年版. 第5版. 金原出版, 2018.

2) Forde PM, et al:N Engl J Med. 2018;378(21): 1976-86.

【解説】

谷口雄司*1,中村廣繁*2  鳥取大学呼吸器・乳腺内分泌外科 *1准教授 *2教授

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