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言語・学習障害(LD)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-26
飯田順三 (奈良県立医科大学医学部看護学科人間発達学教授)
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  • ■疾患メモ

    学習障害(learning disability:LD)は,読字,算数,または書字表出において個別施行されたその人の標準化検査の成績が,年齢,教育程度,知的水準から期待されるより著しく低く,そして学習上の問題が読字,算数,書字の技能を必要とする学業成績または日常生活を著明に妨害している場合に診断される。

    病因としては,認知機能,神経心理学的要因,遺伝などの分野から検討されている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    米国における読字障害の有病率は学齢期の小児の4%と概算されている。わが国ではアルファベット圏と異なり,ひらがなやカタカナは音と文字が1対1対応をしているので,米国に比べると障害が少ないのではないかとみられる。

    読字障害のみという場合は少なく,書字障害を伴うことが多い。読字能力の障害とは,読むのが遅い,正確に読むことができない,読んでも理解できない,などである。形や位置を識別し,記憶することができなかったり,文字と音を結びつけられなかったり,そのために文字,単語,文として視覚的に受容できない。

    書字表出障害は学童の3~10%と推定される。書字表出障害ではひらがなが最も障害されにくく,カタカナ,漢字,英語の順で学習が難しくなる。また,文法の正しい文章を書くこと,構成された短い文章を書くこと,筆跡や綴りの正確な字を書くことなどができない。

    算数障害は学童の1%と概算されている。数の読みと関係した計算ができなかったり,数字との対応が困難であったり,図形や体積など視空間認知が困難な場合がある。

    学習障害児は失敗続きとその欲求不満のために恥や屈辱感を味わい,怒りっぽく,抑うつを呈しやすい。そして自尊心も低い。また,注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivitiy disorder:ADHD)や自閉スペクトラム症(austism spectrum disorder:ASD)が併存することも多い。

    【検査所見】

    日本では標準化されたテストがないため,学校での国語,算数,作文の成績を参考にし,在籍する学年での標準的な学業達成度と比較して著しい遅れを判断する。そしてWISC-Ⅳ(ウェ
    クスラー式知能検査)やK-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children)検査を行い,WISC-ⅣでIQが70以上であることを確認し,K-ABC検査では,言葉の読み,文の理解,算数の到達度のほか,継時処理,同時処理の水準を検討する。

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