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PTSD(外傷後ストレス障害)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
井上幸紀 (大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学教授)
片上素久 (大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学講師)
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  • ■疾患メモ

    外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)では,生死に関わるほどの出来事を直接体験するか,直面させられた体験(外傷体験)が診断の前提となる。

    外傷体験後に出現する様々な症状は1カ月を超えて継続,もしくは遅くとも6カ月以内に出現する場合に診断が検討される。

    再体験(侵入)症状,認知や気分の異常,回避,過覚醒が主症状である。

    生涯有病率は8%程度であるが,若年成人に多いとも言われる。

    精神療法が第一選択であり薬物療法も行われるが,慢性化することも多い。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    代表的症状は以下のものであるが,他の精神障害との併存が多く,様々な症状が認められる。

    再体験(侵入)症状:外傷体験を生々しく繰り返し思い出したり,それに関連した夢をみる。

    認知や気分の異常:外傷体験を忘れようと感情が麻痺し反応が鈍くなる。

    回避:外傷体験に関連があるすべてのものを回避する。

    過覚醒:睡眠障害,イライラ感,集中困難,驚愕反応などを認める。

    【検査所見】

    脳内に器質的異常を認めない。

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