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くる病

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
北中幸子 (東京大学大学院医学系研究科小児医学講座准教授)
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  • ■疾患メモ

    くる病(rickets)は,小児期にCaやPの低下により骨基質の石灰化障害が起こる病態の総称である。くる病には大きくわけて,ビタミンD作用の欠乏による低Ca性くる病と,P排泄増加による低P血性くる病がある。病因は,先天性のもの,ビタミンD欠乏によるもの,未熟児や腎性などがある。

    ここでは主として,近年増加しているビタミンD欠乏性くる病について述べる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    内反膝(O脚)や外反膝(X脚)などの下肢変形,跛行,脊柱の弯曲,頭蓋癆(頭蓋骨が柔らかくへこむ),大泉門の開離,肋骨念珠(肋軟骨移行部の膨隆),Harrison溝(横隔膜付着部肋骨の陥凹),関節腫脹,病的骨折,成長障害などがある。

    ビタミンD欠乏性低カルシウム血症では,けいれん,テタニー,易刺激性がある。

    禿頭を伴う場合は,ビタミンD依存性くる病Ⅱ型を考える。

    問診では,乳児期の栄養法,紫外線の量,食事制限の有無,血族結婚の有無や,くる病の家族歴を確認する。

    【検査所見】

    骨X線:くる病に特徴的な,手首や膝の長幹骨骨端部の杯状変形(cupping),けば立ち(fraying),骨端部の拡大(flaring)がみられる。

    血液検査:アルカリホスファターゼ値(骨型)が高値で,血中のCaあるいはPが低値となる。

    ビタミンDの異常による場合は,低カルシウム血症,PTH高値となるが,時期によりCa正常で低リン血症となる場合もある。

    ビタミンD欠乏症では,血中25(OH)Dが低下していることが重要な所見となる。

    血中1,25(OH)2Dは,ビタミンD欠乏では低値から高値まで様々な値をとり,ビタミンD依存性くる病Ⅰ型では低値,ビタミンD依存性くる病Ⅱ型では高値をとる。

    低P血性くる病では,低リン血症,TmP/GRF低値,血中FGF23高値となる。

    ビタミンD欠乏症の診断は,日本小児内分泌学会のビタミンD欠乏性くる病・低カルシウム血症の診断の手引きを参照するとよい1)。しかし,病型診断や鑑別診断には専門的知識が必要であり,場合によっては遺伝子診断も有用である。

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