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外陰腟カンジダ症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-25
野口靖之 (愛知医科大学産婦人科学講座特任准教授)
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  • ■疾患メモ

    性器カンジダ症は,カンジダ属真菌(カンジダ)の感染により発症する腟炎や外陰炎を指す。原因菌はCandida albicansが最も多く,次にCandida glabrataが多い。

    カンジダは腟の常在菌であり,治療後も再発することがある。副腎皮質ステロイド大量投与,抗菌薬の内服,妊娠,糖尿病がその誘因となると考えられている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    外陰,腟のそう痒感と帯下増加(白色のチーズ状,粥状,ヨーグルト様)を認めるが1),これらはカンジダ腟炎に特異的な自覚症状ではない。

    外陰部に広範囲の発赤,そう痒感によるひっかき傷を伴う場合は,性器ヘルペスと鑑別を要する。

    【検査所見】

    特徴的な臨床症状を認め,生鮮標本検査法により帯下から胞子や仮性菌糸が確認できれば,外陰腟カンジダ症と診断する。生鮮標本検査法は煩雑で習熟を要するが,本疾患と類似した帯下異常と自覚症状を呈する腟トリコモナス症との鑑別に有用である(「§20-29 腟トリコモナス症」参照)。

    培養法は,カンジダ属簡易検出用培地として水野・高田培地,CA-TG培地が使用される。CA-TG培地は,新鮮な帯下を滅菌綿棒で直接培地に塗布しキャップをゆるめた状態で,27~37℃の恒温器に2~4日間格納する。培養後48~72時間で,C. albicansは緑色のコロニー,C. glabrataは暗褐色のコロニーとして培地表面に確認できる。

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