お知らせ
声帯結節・声帯ポリープ
- 登録日：
- 2017-03-16
- 最終更新日：
- 2017-03-28
- 千年俊一 （久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座准教授）
- 梅野博仁 （久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科主任教授）
■疾患メモ
□声帯結節，声帯ポリープは音声の酷使を原因に発症する非腫瘍性の腫瘤性喉頭疾患である1）。
□声帯結節は，両側声帯が慢性的に過度に接触することが原因となり，ピッチの高い発声をする若い女性の職業歌手，教師，保育士や学童期の男児に多くみられる。
□声帯ポリープは，声帯への急激な機械的な刺激が局所の循環障害や出血を生じることが原因となる。カラオケ，スポーツの応援，応援演説などの後に多くみられる。
□しかし，この両疾患およびポリープ様声帯を含めた3疾患の病理像の違いは決して明確ではなく，声帯粘膜固有層浅層における浮腫性変化を主体とする場合もあれば，線維化（結合織の増生）を主体とする場合がある。
□ただし，病変内部の出血像あるいは血管の増生・拡張した病理像は声帯ポリープの成因と一致している。これらの疾患は，腫瘤の形態，発生部位，患者の職業，生活習慣などの臨床像から診断される。
■代表的症状・検査所見
【症状】
□声帯結節は気息性嗄声を呈することが多い。声帯ポリープは粗糙性嗄声を呈することが多いが，ポリープが声帯上面に存在する場合には嗄声を呈さないこともある。
【検査所見】
□診断に最も有効なのは喉頭内視鏡検査である（図）。声帯結節は声帯前1／3で膜様部中央付近に左右対称性に生じることが多く，その色調は声帯そのものと区別しにくい。声帯ポリープは声帯膜様部中央付近に一側性に生じることが多く，有茎性や広基性の腫瘤，内出血を伴う腫瘤などの形相を呈する。
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