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扁桃炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-25
杉本太郎 (がん・感染症センター都立駒込病院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍外科部長)
森尾友宏 (東京医科歯科大学小児科学教室発生発達病態学分野教授)
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  • ■疾患メモ

    扁桃炎には,大きくわけて急性扁桃炎と反復性扁桃炎・慢性扁桃炎がある。ここでは急性扁桃炎について述べる。

    急性扁桃炎は病原微生物の感染による口蓋扁桃の急性炎症で,ウイルス感染あるいは細菌感染により発症する。細菌感染もウイルス感染に続発するものが大部分とされる。

    起炎菌としてはA群β溶血性連鎖球菌(A群β溶連菌)が最も重要で,小児では15〜30%,成人では5〜10%で検出される。

    アデノウイルス,EB(Epstein-Barr)ウイルス,単純ヘルペスウイルス2(HSV-2)などのウイルスによっても発症し,細菌性との鑑別が難しい場合があり注意を要する。

    軽症から重症化するに伴い,急性滲出性扁桃炎(軽症),急性陰窩性扁桃炎(中等症),急性偽膜性扁桃炎(重症)と分類される。

    急性扁桃炎が周囲組織に進展し,さらに増悪すると扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍を発症する(「§18-49 扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍」参照)。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    咽頭痛,嚥下痛,発熱が典型的な症状である。

    下顎角付近の痛みやしこりを訴える場合もある。これは,所属リンパ節の炎症性腫脹によるものである。

    開口障害や含み声を訴える場合は,扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍への進展を考慮する。

    【検査所見】

    問診で全身的な症状の有無を聴取し,感冒とインフルエンザを除外診断する。

    視診では,口蓋扁桃の発赤・腫脹(軽症),口蓋扁桃陰窩への膿栓付着(中等症),扁桃全体への白苔付着(重症)を認める。ウイルス性扁桃炎では,軟口蓋の点状出血斑,アフタ性口内炎,歯肉の発赤腫脹,口蓋扁桃以外の扁桃組織(咽頭扁桃や舌根扁桃)への膿栓・白苔付着を認めることがあり,鑑別診断の一助とする。

    細菌性扁桃炎では,白血球増加とCRPの上昇を認める。

    後頸部のリンパ節腫脹を認める場合は伝染性単核球症を疑う。伝染性単核球症では,肝機能異常(トランスアミナーゼ上昇)を認めるので,その鑑別診断のためにも,適宜血液生化学検査を行う。

    A群β溶連菌,アデノウイルスに関しては,迅速抗原検出キットが市販されているので,これらを疑う場合は,鑑別診断のため咽頭拭い液での検査を適宜施行する。なお,保険診療上,A群β溶連菌迅速抗原検出検査と細菌培養同定検査を同時に施行した場合,前者の点数しか算定できない。4歳未満の症例では,アデノウイルス感染を念頭に置く。

    口蓋扁桃陰窩からの細菌検査では,A群β溶連菌,インフルエンザ菌,ブドウ球菌などが検出されるが,連鎖球菌属やナイセリアなどの常在菌しか検出されない場合も多い。細菌検査の際は,スワブの先端を扁桃表面ではなく陰窩内に挿入するよう留意する。

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