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慢性副鼻腔炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
鴻 信義 (東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室教授)
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  • ■疾患メモ

    副鼻腔炎症状が3カ月以上持続した状態が慢性副鼻腔炎である。副鼻腔自然口の閉塞で換気・排泄障害が生じているため,副鼻腔内の細菌感染や膿汁貯留など,好中球性の炎症が遷延化する。

    軽症化の傾向があるが,急性増悪で眼窩内・頭蓋内合併症を引き起こすこともある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    粘性または膿性の鼻漏,後鼻漏,鼻閉,嗅覚障害,頭痛・頭重感,また咳嗽を訴えることが多い。

    急性増悪を起こすと症状が顕著になるが,稀に眼窩骨膜下や眼窩内の膿瘍,化膿性髄膜炎や脳膿瘍など周辺臓器の合併症を生じ,高度視力低下や激しい痛み,意識障害などを呈する。

    【検査所見】

    内視鏡検査:中鼻道自然口付近に粘膜浮腫・腫脹や粘膿性鼻汁あるいは鼻茸を認める。

    画像検査:単純X線検査,CT,MRIで罹患副鼻腔に陰影を認める。

    鼻汁の細菌培養:黄色ブドウ球菌,肺炎球菌,インフルエンザ菌が主要な起因菌である。耐性菌も検出されやすい。

    その他:喘息や気管支炎など下気道疾患を併発すると,肺機能検査の低下を認める。また,鼻腔通気度検査では鼻腔通気の低下を,また基準嗅覚検査では嗅覚の検知・認知の障害を認める。

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