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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-07
菅井基行 (広島大学大学院医歯薬保健学研究科医歯薬学専攻細菌学教室教授)
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  • ■疾患メモ

    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)感染症は皮膚創傷感染症から敗血症や肺炎などの重症感染症まで多岐にわたる。

    わが国ではMRSAは1980年代後半から医療施設で分離されはじめ,入院患者から分離される黄色ブドウ球菌の50~70%をMRSAで占めていたが,近年は減少傾向にある。

    MRSA感染入院患者の疾患別おおよその割合:人工呼吸器肺炎等を含む肺炎(40%),菌血症(20%),皮膚・軟部組織感染症(10%),手術創感染症(10%),尿路感染症(5%)1)

    MRSAには医療施設関連型〔healthcare-associated MRSA:H(A)-MRSA〕と市中感染型〔community-associated MRSA:C(A)-MRSA〕がある2)

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    MRSA感染症には皮膚の切創化膿性炎,膿痂疹,毛嚢炎,せつ,よう,蜂巣炎などの皮膚・軟部組織感染症から肺炎,腹膜炎,敗血症,骨髄炎,関節炎,髄膜炎,毒素性ショック症候群まで多岐にわたる。

    【検査所見】

    MRSAはmecA遺伝子を保有するか,オキサシリン最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration:MIC)≧4μg/mLを示す黄色ブドウ球菌と定義される。

    mecA遺伝子はstaphylococcal cassette chromosome mec(SCCmec)と呼ばれる可動性のDNA上に複数の遺伝子とクラスターをつくって存在しており,SCCmec型によりHA-MRSA, CA-MRSAに分類できる。

    MRSAの検出はオキサシリンやセフォキシチンを用いた感受性検査により行う(MIC法ではオキサシリン≧4μg/mL,セフォキシチン≧8μg/mL,ディスク法ではセフォキシチン(30μg)の阻止円が≦21mm)。バンコマイシンの測定はディスク法を使用せず,MIC法で行う。その他,PCR法によるmecA遺伝子を直接検出する方法や,簡易にラテックス凝集反応によってpenicillin-binding protein 2'(PBP2')を検出する方法〔MRSA-LA「生研」〕などがある。

    HA-MRSAは各種抗菌薬に耐性を示すため,易感染性状態の患者のMRSA感染症では治療に難渋し重症化する事例がある。

    CA-MRSAはβラクタム薬以外の薬剤に感受性を示す例が多いため,ST合剤,ミノサイクリン,キノロン系薬,クリンダマイシン,アミノ配糖体系薬の感受性を確認し,感受性がある薬剤を使用する。

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