株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

アナフィラキシー

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-19
竹井真理 (相模原病院小児科)
柳田紀之 (相模原病院小児科医長)
海老澤元宏 (相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部部長)
    • 1
    • 2
  • next
  • ■疾患メモ

    アナフィラキシーとは,「アレルゲン等の侵入により,複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され,生命に危機を与えうる過敏反応」であり,アナフィラキシーショックとは,「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」と定義される。

    アナフィラキシーの既往を有する頻度は,海外では0.3~1.6%と報告されており,わが国の児童では0.3~0.6%とされる。

    多くはIgEが関与する免疫学的機序により発生する。最も多くみられる誘因は食物,刺咬昆虫(ハチ,アリ)の毒,薬剤である(表1)。

    11_27_アナフィラキシー

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    症状は皮膚・粘膜,上気道・下気道,消化器,心血管系,中枢神経系の多臓器に生じ,図1に示す3項目のうちいずれかに該当する場合はアナフィラキシーと診断する。

    11_27_アナフィラキシー

    症状および徴候のパターン(発症,症状の程度,経過)は患者により異なり,同一患者でも発症ごとに差異が認められる。

    致死的反応において呼吸停止または心停止までの中央値は薬物5分,ハチ毒15分,食物30分との報告がある。

    二相性アナフィラキシーは成人の最大23%,小児の最大11%に発生する。

    【検査所見】

    アナフィラキシーの際に総トリプターゼ値,ヒスタミン値の上昇がみられる場合があるが,それらが正常値であってもアナフィラキシーを否定することはできない。

    血小板活性化因子(platelet activating factor:PAF),カルボキシペプチダーゼA3などのバイオマーカーについてはまだ研究レベルである。

    1190疾患を網羅した最新版
    1252専門家による 私の治療 2021-22年度版 好評発売中


    PDF版(本体7,000円+税)の詳細・ご購入は
    コチラより

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    page top