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多発血管炎性肉芽腫症(GPA):Wegener肉芽腫症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-21
鈴木康夫 (東海大学医学部内科学系リウマチ内科教授)
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  • ■疾患メモ

    ドイツの病理学者F. Wegenerによって報告された疾患で,2012年,Chapel Hill会議で,Wegener肉芽腫症から多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)と名称が変更された。

    2012年度の医療受給者証保持者数は1942件で,この15年で徐々に増加傾向であるが,顕微鏡的多発血管炎の1/3程度である。

    推定発症年齢は男子30~60歳代,女子50~60歳代が多く,男女比は1:1である。

    病理組織学的に,①全身の壊死性・肉芽腫性血管炎,②上気道と肺を主とする壊死性肉芽腫性炎,③半月体形成腎炎を呈し,その発症機序に抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が関与する。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    ①上気道の症状:鼻(膿性鼻漏,鼻出血,鞍鼻),耳(中耳炎,耳漏,難聴),眼(眼痛,視力低下,眼球突出),口腔咽喉頭(粘膜潰瘍,嗄声,気道閉塞),②肺症状:血痰,呼吸困難など,③急速進行性腎炎,腎不全,④そのほかの臓器症状:紫斑(palpable purpura),網状皮斑,多発関節痛,多発性単神経炎,強膜炎・上強膜炎など,⑤全身症状:発熱,体重減少。

    ①②③のすべてがそろっている場合は全身型,いずれか2つの場合を限局型という。全身型では①→②→③の順序で進行する。

    【検査所見】

    全身血管炎を反映して,赤沈,CRP高値,白血球増多,好中球増多がみられる。

    腎病変では蛋白尿,顕微鏡的血尿,円柱尿,血清クレアチニン高値がみられる。

    胸部X線,CT検査では,結節影,空洞形成,気管支壁の肥厚がみられる。

    頭部CT, MRI検査で,副鼻腔炎,鼻中隔穿孔,副鼻腔内腫瘤と骨破壊,眼窩内腫瘤,肥厚性硬膜炎,中耳炎の像がみられる。

    腎生検組織は,巣状壊死性半月体形成性腎炎(免役グロブリン,補体の沈着を伴わないpauci-immune型)を示す。

    障害臓器の壊死性肉芽腫性炎と小・細動脈の壊死性肉芽腫性血管炎がみられる。

    血清学的には,PR3-ANCAが全身型では高頻度で陽性になる。わが国では,MPO-ANCA陽性例も多い。

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