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ガストリノーマ

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-19
伊藤鉄英 (九州大学大学院医学研究院病態制御内科准教授)
藤山 隆 (九州大学大学院医学研究院病態制御内科学)
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  • ■疾患メモ

    ガストリノーマは,膵または十二指腸に発症した神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)により,ガストリンが過剰分泌され,消化性潰瘍や下痢などを生じる疾患である。Zollinger-Ellison症候群とも呼ばれる。

    機能性の膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumor:PNET)ではインスリノーマについで多く,多発性内分泌腫瘍症1型(multiple endocrine neoplasia type 1:MEN1)合併例では最多である1)

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    胃酸の過剰分泌による消化性潰瘍や逆流性食道炎を発症し,腹痛,胸焼けの原因となる。

    下痢も高頻度にみられ,過剰に分泌された胃酸により腸内が酸性となり,膵消化酵素が不活性化することなどが原因とされる。

    【検査所見】

    〈存在診断〉

    空腹時血清ガストリン濃度と,24時間胃内pHモニター検査あるいは空腹時胃内pH測定にて,ガストリン濃度と胃酸過剰分泌を確認する。

    負荷試験にはカルシウム静注試験が有用である。いずれもプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)内服に影響されるため,1週間~10日間中止するが症状増悪に注意する。

    ほかに高ガストリン血症をきたす病態として,ヘリコバクター・ピロリ感染,慢性腎不全,萎縮性胃炎などによるG細胞過形成などがある。

    〈局在診断〉

    US,CT,MRI,超音波内視鏡検査(EUS)を行う。

    微小腫瘍には選択的動脈内刺激薬注入法(SASIテスト)が有用である。

    〈病理診断〉

    超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNA)などを行い,NETの診断および,NET G1,NET G2,NECに分類する。

    〈遺伝性疾患の検索〉

    MEN1,von Hippel-Lindau病,神経線維腫症1型,結節性硬化症などでPNETを合併するが,本疾患ではMEN1を合併していることが多く,血清カルシウム濃度とインタクトPTHの測定が推奨される。家族歴も聴取する。

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