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硬膜下蓄膿(硬膜下膿瘍)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-16
開道貴信 (奈良医療センター脳神経外科医長)
大槻泰介 (てんかん専門病院ベーテル院長)
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  • ■疾患メモ

    硬膜下膿瘍ともいう。硬膜下腔に膿瘍が貯留した状態を指す。特別に記載がなければ頭蓋内を意味するので,以下それについて説明するが,脊髄の硬膜下腔に発生することもある。

    副鼻腔,中耳,乳突蜂巣,眼窩など近接する部位から波及する場合や,頭頸部手術後や頭部外傷,先天性皮膚洞などに伴う直達感染,菌血症による血行性感染に起因する場合がある。

    HIV感染や悪性腫瘍の化学療法,自己免疫疾患に対する免疫抑制薬投与,薬剤副作用での好中球減少症などによる免疫不全状態で日和見感染として発生することもある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    頭痛,発熱,嘔気・嘔吐,痙攣,意識障害,呼吸障害などがある。髄膜刺激症状を呈することもある。また,局所症状として麻痺,失語などの巣症状がある。

    病変が小さい場合は無症候性として,画像所見のみの場合もある。

    症状はしばしば急速に進行し,死に至ることもある。

    近接部位からの波及である場合,たとえば副鼻腔炎,中耳炎,乳突蜂巣炎,眼窩内膿瘍など,その部位に先行する感染症状を認めることがある。

    脳神経外科,耳鼻咽喉科,眼科など近接部位の手術歴の有無を確かめる必要がある。さらに,上記免疫不全状態でないかどうかを確認すべきである。

    【検査所見】

    頭蓋内病変を疑う場合に準じて,まず頭部CTやMRIを撮像する。

    頭部円蓋部,大脳縦裂,小脳橋角部,天幕下,前・中・後頭蓋底などの硬膜下腔に,脳を圧迫する占拠性病変を認める。信号は均一なこともあれば不均一なこともある。

    T1強調画像で等~低信号,T2強調画像で等~高信号を示すが,一定しない。

    拡散強調画像で著明な高信号を示し,診断に有効であることがしばしばある。

    造影検査では辺縁の増強効果がみられることが多い。

    硬膜下腔に蓄膿がある場合でも,多くの場合くも膜が保たれているため,たとえ髄液が採取されても病原菌を検出することはできないことが多い。

    髄液所見では細胞数や蛋白が必ずしも上昇しない。

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