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急性尿細管間質性腎炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
井上 勉 (埼玉医科大学医学部腎臓内科准教授)
岡田浩一 (埼玉医科大学医学部腎臓内科教授)
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  • ■疾患メモ

    急性尿細管間質性腎炎(acute tubulo-interstitial nephritis:ATIN)は,腎尿細管間質に炎症細胞浸潤と浮腫を認め,腎機能低下と尿検査の異常を呈する1)

    特異的な検査所見や臨床症状はなく,急性腎障害の診療の際は常に本症を考慮する。

    75%以上は薬剤誘発性とされ,ついで感染症,自己免疫疾患が発症に関係する。

    ※急性腎盂腎炎は本項に含めない。

    サルコイドーシス,シェーグレン症候群,全身性エリテマトーデス,tubulointerstitial nephritis and uveitis(TINU)症候群,原発性胆汁性肝硬変,抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎,IgG4関連疾患が本症の原因として挙げられる。

    IgG4関連腎臓病では高IgG血症,特にIgG4高値(135mg/dL以上),高IgE血症を認め,半数以上の例で低補体血症を伴う。CTでは腎実質の多発性造影不良域や単発性腎腫瘤(hypovascular),腎盂壁肥厚病変など,多彩な像を呈する2)

    TINU症候群では両眼の前部ぶどう膜炎を認めるが,腎症と必ずしも同時発症ではない(2カ月前から12カ月後の間が典型的)。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    無症候で検査上の腎機能低下として発見される例から,嘔気等の尿毒症症状を示す例まで様々である。

    感染症や全身性の自己免疫疾患に続発する場合は,原因疾患に関連する症状を伴う。

    薬剤誘発性の場合でも,古典的三徴(皮疹,発熱,好酸球増加症)がそろうのは1割未満とされる。

    約半数に関節痛を伴うとする報告もある。

    【検査所見】

    本症に特異的な検査所見はなく,確定診断は腎生検による。腎生検所見では,肉芽腫形成,間質線維化,尿細管萎縮が腎機能予後不良を示唆する。

    血清クレアチニンの上昇をはじめ,腎機能低下,尿細管機能異常に伴う諸検査の異常を呈しうる。

    顕微鏡的血尿,非ネフローゼレベル(通常は1.0g/g・Cr未満)の蛋白尿,尿中の尿細管障害マーカー(N-acetyl-β-d-glucosaminidase,β2-microglobulinなど)の上昇,沈渣中の白血球増加を認める。沈渣中の好酸球増加(白血球の1%以上)は本症に特異的ではない。

    肉眼的血尿やネフローゼレベルの大量蛋白尿は稀(5%未満)であるが,NSAIDsでは大量蛋白尿を認める例がある。

    MRI,X線CT,超音波等の画像検査では,腎腫大を認めることがある。

    急性尿細管壊死との鑑別に,ガリウムシンチグラフィが有用な場合がある。

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