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急性胆管炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-26
伊佐山浩通 (順天堂大学医学部消化器内科学先任准教授)
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  • ■疾患メモ

    急性胆管炎(acute cholangitis)は,胆汁うっ滞,閉塞性黄疸が背景にあり,うっ滞した胆汁に感染が起こる。上昇した胆管内圧のためにcholangio-venous refluxが生じ,感染胆汁が類洞を介して大循環に流入し,黄疸と菌血症が起こる。

    総胆管結石(原発性結石,胆嚢からの落下結石),肝内結石,胆管狭窄(悪性疾患,良性),胆管ステントの閉塞,逆行性胆管炎(胆管空腸吻合術後)などが原因となる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    Charcotの3徴(右季肋部痛,発熱,黄疸),非特異的な消化器症状(悪心,嘔気,嘔吐,食欲不振),菌血症の症状(悪寒,戦慄),敗血症の症状(ショック,意識障害)などがみられる。

    【検査所見】

    血液検査:胆道系優位な肝・胆道系酵素上昇,T-Bil上昇,炎症反応の上昇(WBC,CRP,プロカルシトニン),重症例では各臓器障害や播種性血管内凝固症候群(DIC)を反映した血液検査所見を呈する。

    画像所見:胆道拡張,胆道狭窄,胆管内結石・ステントをみる。正常例では腹部超音波検査で肝内胆管は描出されない。認められたら拡張が存在すると考える。

    重症度判定は,胆道炎のガイドラインに沿って行う。臓器障害が存在する場合を重症とし,中等症では黄疸,腎機能障害,血小板数の減少,低アルブミン血症,39℃以上の高熱を伴う。それ以外を軽症とする。

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