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肺真菌症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-12
髙園貴弘 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学系専攻感染免疫学講座臨床感染症学分野)
泉川公一 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学系専攻感染免疫学講座臨床感染症学分野教授)
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  • ■疾患メモ

    肺真菌症は,一般的に呼吸器系に基礎疾患を有する症例や免疫能の低下した症例にみられ,代表的なものとして,肺アスペルギルス症〔侵襲性肺アスペルギルス症(invasive pulmonary aspergillosis:IPA),慢性進行性肺アスペルギルス症(chronic progressive pulmonary aspergillosis:CPPA),単純性肺アスペルギローマ(simple pulmonary aspergilloma:SPA)〕,肺クリプトコックス症がある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    IPA:抗菌薬不応性の発熱,咳嗽,喀痰,血痰,喀血。

    CPPA,SPA:発熱(微熱),咳嗽,喀痰,血痰,喀血,体重減少。

    肺クリプトコックス症:発熱(微熱),咳嗽,喀痰。時に無症状で検診での発見例も。

    【検査所見】

    培養検査や組織診断が確定診断には必須であるが,臨床診断には下記の所見・検査が参考となる。

    〈画像所見〉

    IPA:halo signを伴う肺野結節影,meniscus sign。

    CPPA,SPA:菌球,空洞形成,浸潤影。

    肺クリプトコックス症:肺野多発結節影(下葉,胸膜直下が中心),稀に浸潤影。

    〈検査所見〉

    IPA:アスペルギルス(ガラクトマンナン)抗原検査(血清,気管支肺胞洗浄液),β-D-グルカン検査。

    CPPA,SPA:抗アスペルギルス沈降抗体,β-D-グルカン検査,アスペルギルス(ガラクトマンナン)抗原検査(血清)。

    肺クリプトコックス症:血清クリプトコックス抗原(ガラクトキシロマンナン抗原)。

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