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日本で発見されたインスリン自己免疫症候群[内科懇話会]

No.4997 (2020年02月01日発行) P.30

司会: 片山茂裕 (埼玉医科大学かわごえクリニック院長)

演者: 内潟安子 (東京女子医科大学特任・名誉教授/東京女子医科大学東医療センターセンター長)

登録日: 2020-02-03

最終更新日: 2020-01-29

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  • 【司会】片山茂裕(埼玉医科大学かわごえクリニック院長)
    【演者】内潟安子(東京女子医科大学特任・名誉教授/東京女子医科大学東医療センターセンター長)

    自発性低血糖症は,低血糖を起こす薬物の服用とは関係のない低血糖症である。自発性低血糖症には,インスリノーマ,インスリン自己免疫症候群(IAS)などがある

    IAS発症は20~29歳の女性が同年代の男性に比べて多いが,これはIASがバセドウ病と関連があることによると考えられる

    DRB104:06を有するバセドウ病患者が治療薬としてメルカゾール®を服用すれば,IASを発症することが強く示唆された

    IASの治療は,誘発する可能性のある薬物があれば排除することが第一である

     自発性低血糖症の分類

    自発性低血糖症という低血糖症があります。自発性低血糖症は低血糖を起こす薬物として周知されているものによらない,また低血糖を起こす原因がみつけにくい,因果関係がありそうでも低血糖を起こしうることが稀である物質によって発症した低血糖症のことです。食事をきっかけに起こる反応性低血糖症はこの中には含めません。自発性低血糖症の原因疾患としてインスリノーマは最も有名ですが,インスリン自己免疫症候群(insulin autoimmune syndrome:IAS)も原因となります。また,インスリン受容体抗体による低血糖症(インスリン受容体異常症B型),膵外腫瘍による低血糖症,下垂体性機能低下症なども原因として挙げられます。

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