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自家薬籠中の薬「P-drug」を増やすためのリストとして活用してほしい
─『治療薬の臨床薬理データブック』編者・渡邉裕司氏(日本臨床薬理学会前理事長)に聞く

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  • 処方薬を理解し必要な情報を患者に届けるために、薬剤師も活用してほしい

    ──医療現場で薬剤選択に関わる臨床医や薬剤師に『治療薬の臨床薬理データブック』をどのように活用してほしいですか。

    渡邉 この本は、多忙な日常診療の中、薬の特徴を限られた時間で把握し、作用機序、臨床薬理学的な吸収経路・吸収率、代謝・排泄、血中濃度の変化あるいは効果発現時間・効果持続時間、用法・用量、同種同効薬との違いなどの情報を効率的に入手できるようになっています。

    薬剤師の方々も、ドクターが処方した薬をしっかり理解し、必要な情報を患者に届けることが必要になりますので、この本を役立てていただけるのではないかと思います。

    イラストを多用し、かなり見やすいつくりにしていますので、医学生、薬学生、看護学生も含め幅広い方々に薬の情報を効率的に入手するテキストとして活用いただけるのではないかと思います。

    ──ポリファーマシー(多剤服用)対策では、医師と薬剤師が協働して理想の薬物治療を実現することが重要となりますので、同じテキストで情報共有することも大切ですね。

    渡邉 情報共有することでいろいろな意見交換がしやすくなると思いますね。

    ──代表的薬剤を思いきり絞って編集しているところも大きな特徴だと思いますが、ここにはどのようなメッセージが込められているのでしょうか。

    渡邉 薬物療法の用語で「P-drug」という概念があります。パーソナルドラッグの略で、「自家薬籠中の薬」という意味ですが、個々の臨床医にとって使い慣れた薬というのは実はそんなに多くないのではないかと思います。

    使い慣れた薬を上手に使っていくことが、薬物治療の安全性を確保する上で非常に大事で、「この薬はこんな副作用も出る可能性がある」ということもよく理解している臨床医は、患者さんに使うときにチェックを怠りません。この『治療薬の臨床薬理データブック』が、本当に使い慣れている薬、この薬については十分わかっているというP-drugを増やしていくためのリストになればいいなと思っています。

    渡邉 裕司(わたなべ ひろし) 浜松医科大学理事・副学長、国立国際医療研究センター臨床研究センター長。1983年北海道大学医学部卒業。デュッセルドルフ大学循環生理学研究所留学などを経て、2005年浜松医科大学医学部臨床薬理学講座教授、2016年国立国際医療研究センター臨床研究センター長兼任、2018年浜松医科大学理事・副学長。学会活動では日本臨床薬理学会理事長(2014~2018年)などを歴任。専門領域は臨床薬理学、循環器内科学、血管病態学。

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