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累々としたリンパ節腫脹に隠されたドラマ[プラタナス]

No.4895 (2018年02月17日発行) P.6

岡田 定 (聖路加国際病院人間ドック科部長・血液内科)

登録日: 2018-02-19

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  • 「実は今度、結婚して関西に引っ越すことになりました」。血液内科の外来で突然にそう言われて驚きました。

    2年前、28歳だった彼女には大事件があったからです。ウイルス脳炎疑いによる意識障害と異常行動による緊急入院です。JCS 20で会話が成り立たない。叫び声を上げる、手を振り回す、点滴ラインの抜去を繰り返す。

    血液・髄液・尿・各種ウイルス抗体価に有意な所見はなく、脳波は全誘導でdiffuse slow burst、MRIで両側海馬周囲に高信号を認め、辺縁系脳炎と診断されました。
    担当レジデントから「神経内科の患者さんですけど、首のリンパ節が腫れているので診てもらえませんか」と相談を受けました。

    確かに、左右の鎖骨上に直径1~3cm大のリンパ節を数個、触知します。硬さは弾性硬で圧痛はありません。直感的に「これはリンパ腫でしょう。すぐに生検しないと。それと頸部から鼠径部までのCTを撮って」と答えました。

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