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小児に対する円錐角膜の進行予防法,治療法【数カ月ごとの検査で進行がみられるようであれば角膜クロスリンキングを施行】

No.4888 (2017年12月30日発行) P.62

鳥居秀成 (慶應義塾大学医学部眼科学教室)

加藤直子 (埼玉医科大学医学部眼科准教授)

登録日: 2017-12-28

最終更新日: 2017-12-22

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  • 近年,診断機器の進歩により円錐角膜や疑い症例を多く見かけるようになりましたが,18歳未満の学童の円錐角膜や疑い症例に対する進行予防法,治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。
    埼玉医科大学・加藤直子先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    鳥居秀成 慶應義塾大学医学部眼科学教室


    【回答】

    18歳未満の若年発症の円錐角膜は,進行速度が速く比較的重症になる傾向があるので注意が必要です。時には,不同視弱視や心因性視力障害といった学童期に特有の視力障害と間違われている症例が散見されます。

    18歳未満の若年者で,小学生の頃はよく見えていたのに思春期以降になって急激に視力が低下してきた場合,特に乱視が急に強くなってきた場合には,円錐角膜を疑って一度は角膜形状の検査をしてみることをお勧めします。家族歴がある場合や,アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持っている場合は,なるべく早い段階で角膜形状解析検査をして確認することが望ましいです。円錐角膜の確定診断がついた場合には,数カ月ごとに繰り返し検査を行い,進行がみられるようであれば角膜クロスリンキングを施行するのが望ましいと考えられます。

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