難易度:★★☆☆☆
司会&総合診療科指導医K:今日は総合診療科の症例で,外来の患者さんですね。
担当医1(1年目研修医):はい。自分としても,とても勉強になった症例でした。
担当医2(後期研修医):そうですね。まったく難解さはないのですが,皆で共有したいケースとして提示します。
司 会:それではよろしくお願いします。
担当医1:この患者さんの問診票には「朝9時頃,胸と左腕が鈍く痛くなり,出勤困難と感じたので来ました。病院に来たらおさまってしまいました」と記述されていました。
会 場:痛みはおさまったというのは,診察時に無症状だったのですか。
担当医1:そうです。厳密に言うと,その日の朝はいわゆる二日酔いの状態にあって痛みに鈍感になっていた可能性はありますが,苦しがっている様子はありませんでした(スライド1・2)。
司 会:これは臨床医にとって重要なシチュエーションですね。受診時に何もないからといって,特に何もしないでよいのかという。
「胸痛」「独歩で受診」「受診時無症状」をどうすればよいか
担当医2:そこなんです。皆さんはこの状況ではどう考えますか。
会場(研修医):酔っ払っている患者には気をつけろと教わりました。
会場(常勤医師):でもなんだか面倒くさくなってしまうなあ。私は。
司 会:ちょっと油断が生じやすいですよね。では次は病歴です。
担当医1:はい。胸痛についてのOPQRSTもお示しします(スライド3)。
会場(研修医):前後不覚な状態で寝てしまって,翌朝トイレで力んで発症ですか。嫌な病歴ですね。
司 会:何を想定しますか。