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失神の経過フォロー目的で受診した30歳,女性 [国立国際医療研究センター臨床カンファレンス(21)]

No.4857 (2017年05月27日発行) P.44

登録日: 2017-05-25

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  • 難易度:★★★☆☆

    司会&総合診療科指導医K:今回は総合診療科からの症例ですが,いつもとはちょっと趣の違うケースを提示します。外来の症例なのですが,患者さんが受診した主訴・理由とは関係のないところから思わぬ診断となった症例です。とにかく,期待していて下さい。それではよろしくお願いします。

    担当医(初期研修医):よろしくお願いします。患者さんは元気なお子さんのいる,専業主婦をしている30歳の女性です。受診の経緯を示します(スライド1)。

    会 場:そんなに派手な大量の出血だったんですか。

    担当医:いや,そうでもなかったみたいです。患者さんも笑っていました。昔から,採血をするときや胃腸炎になったときにも「倒れる」と言っていました。

    会 場:血管迷走神経反応(vasovagal reaction:VVR)ということですか。

    担当医:そうだと思います。

    VVRですんでしまいそうな,よくある診療で何が起こった?

    会 場:そうすると今回のエピソードも……。

    担当医:救急外来では脳のCTも撮られていて,これは正常でした。また,痙攣様の動きをすることもVVRでは知られています。当日朝からかぜ気味だったということもあったと思います。ですので……。

    司 会:おっと,それだと終わってしまいますので進めさせてもらいます。

    担当医:はい。身体所見と検査所見です(スライド2・3)。

    司 会:何かご質問は?

    会 場:CRPの上昇は,かぜということでしょうか。

    担当医:そう考えられていたようです。

    司 会:ほかにありませんか。では経過を説明して下さい。

    担当医:この経緯でのアセスメントとしては,やはりVVRで矛盾ないと考えまして,我々としても診療を終結してよいと考えました。ところが……。

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