【質問者】
伊藤泰介 浜松医科大学皮膚科学講座准教授
【CD8 T細胞による自己免疫反応に関わっており,重要な役割を果たす一方,メラノサイト遊走を促進する治療・因子も必要である】
尋常性白斑(以下,白斑)は皮膚メラノサイトに対する自己免疫疾患で,CD8 T細胞がメラノサイトを攻撃してアポトーシスを起こすことにより臨床的に脱色素斑を生じます。それ以外にも,接着分子発現が減弱することによるメラノサイトの不安定化,小胞体ストレス応答による炎症性サイトカインの産生,アポトーシスの誘導など,複数のメカニズムが白斑の病態に関与していると考えられています。
白斑モデルマウスを用いた研究で,病変部にはIFNγ mRNA発現が亢進しており,IFNγを抑えることで白斑が改善したことから,白斑の病態にIFNγが重要であることが示され1),この知見を嚆矢として,IFNγ-JAK-STAT1-CXCL10 axisがCD8 T細胞の局所皮膚への遊走に重要な役割を果たしていることが明らかになりました2)。
残り959文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する