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新型コロナウイルス感染症と食物経口負荷試験[プラタナス]

No.5067 (2021年06月05日発行) P.3

西本 創 (さいたま市民医療センター小児科部長)

登録日: 2021-06-05

最終更新日: 2021-06-03

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  • 食物アレルギーは食事という日常生活に欠かせないものに大きな影響を及ぼす。以前はアナフィラキシーを避けるため、原因食物を厳格に除去し自然寛解を待っていたが、近年食物アレルギーに対する理解が大きく変化し、「経皮感作・経口免疫寛容」の概念が確立された。それによると、食物アレルギーの原因食物であったとしても、食べられる範囲で慎重に摂取を開始し摂取できる範囲を広げることが重要とされている。その安全に食べられる範囲を設定、指導するためには食物経口負荷試験が不可欠であり、2008年より外来で行われるようになったが、依然として実施可能な施設は少ない。食物アレルギーを持つ子どもは年々増加しており、当院には非常に多くの子どもたちが、心配な卵焼きや牛乳を持参して外来を訪れていた。

    2020年春の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにより、緊急事態宣言が出され、不要不急の外出制限や初めて経験する全国一斉休校が行われた。日本外科学会からも外科手術に関する提言がなされ「致死的疾患でない、急を要しない外来手術など」に関しては延期する、とされた。また、飲食が感染のリスク因子であるとされ、外来で食物経口負荷試験を行うべきかどうか判断に苦慮した。

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