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最近のアトピー性皮膚炎の新規治療薬について

No.5047 (2021年01月16日発行) P.52

林 周次郎 (獨協医科大学皮膚科准教授)

神谷浩二 (自治医科大学皮膚科准教授)

登録日: 2021-01-18

最終更新日: 2021-01-12

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  • アトピー性皮膚炎はよく見かける疾患ですが,10年以上前にタクロリムス軟膏と短期シクロスポリン内服療法が承認されて以降,新規治療薬には恵まれていませんでした。しかし,近年,少しずつ病態が解明され,それに伴い新しい分子標的薬が使用可能になっています。最近の新規治療薬についてご教示下さい。
    自治医科大学・神谷浩二先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    林 周次郎 獨協医科大学皮膚科准教授


    【回答】

     【2018年4月よりデュピルマブ,2020年6月よりデルゴシチニブ軟膏が使用可能に】

    アトピー性皮膚炎では,ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの抗炎症外用薬が治療の基本となります。これらの抗炎症外用薬で十分な治療効果が得られない場合には,全身療法(シクロスポリン,デュピルマブ)を検討します。

    シクロスポリンは,2008年10月にアトピー性皮膚炎に対する適応が追加されました。既存治療で十分な効果が得られない患者に対して,3mg/kg/日を開始用量とし,症状により5mg/kg/日を超えないよう増減が可能ですが,長期投与での安全性が確立していないことから8~12週間で終了することとされています1)。長期投与が必要な場合は,2週間以上の休薬期間をはさむ間欠投与となります。しかし,長期投与による高血圧,腎障害,免疫抑制,休薬期間での症状増悪などが問題となってきます。

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